えっ、いない!?

 WBC台湾代表候補の陽耀勲投手(30)が1月31日、ソフトバンクの春季キャンプ地・宮崎に入らなかった。陽耀勲は今年1月に代理人を変更。球団と交渉を重ねてきたが、メジャー希望もあり、この日までに正式契約には至らなかった。戦力と考えていた球団はキャンプA組(1軍)に振り分けていたが…。今後の動向から目を離せない。

 搭乗予定者を1人欠いた航空機が、福岡空港を出発した。陽耀勲が宮崎キャンプを“自主休講”するという知らせに、球団は大あわて。石渡編成・育成部長は「今日聞いたところで、ただ驚いています」と困惑するばかりだ。ソフトバンクは育成契約を含めて88選手の大所帯。1人減でのキャンプインとなる。

 球団の説明によると、昨季終了時に今季もソフトバンクと契約することで互いに意思確認し、保留者名簿にも載せた。ただ、陽耀勲は今年1月にメジャーの大物を顧客に抱えるスコット・ボラス氏の事務所に代理人を変更。石渡部長は「本人から代理人を代えるから交渉を延ばしてほしいと連絡があり、それで遅れた部分もある。ただ、うちはあくまでも今年の戦力と考えている」と説明した。引き継ぎ業務に時間を要したことも、今回の“時間切れ”の背景にあったようだ。

 石渡部長は「本人サイドがメジャーに行きたいと言っている」と、衝撃の事実も明かした。この部分が、最終段階に入った交渉を難局に向かわせている可能性もある。交渉決裂という最悪のシナリオは回避できそうだが、思わぬ騒動に発展したのは間違いない。

 昨年の陽耀勲は8月から先発ローテーションに入り、9試合に登板。プロ初完封を含む2勝を挙げ、CSファイナルステージの“開幕投手”も務めた。制球も改善され、貴重な先発左腕として評価を高めた。台湾代表での好投も光った。

 06年に台湾文化大から入団した際は“育成枠”で扱われたが、実績アップに伴い今オフからそれも撤廃。外国人選手として評価し、昨季年俸1100万円から5000万円(金額は推定)へ大幅アップして交渉を進めている模様。今季カギを握る人物の1人だけに、動向から目を離せない。【押谷謙爾】