<中日5-4日本ハム>◇14日◇ナゴヤドーム
日本ハム大谷翔平投手(18)が、マルチ安打で交流戦デビューを飾った。第1打席の左越え二塁打など4打数2安打。送球を背中に当てるアクシデントがありながら、複数安打に加え、フェンス際の好守備でも存在感を示した。それでも、チームは逆転負けを喫し、今季ワーストを更新する泥沼の8連敗となった。
2安打デビューでも、そこに笑顔はなかった。大谷が初めて挑んだ交流戦。二刀流ルーキーが刻んだ2つの安打は、白星にはつながらなかった。「みんな勝ちたいし、気持ちは一緒だと思う。僅差で負けてしまったので、反省しながら次にいきたいと思います」。厳しい表情が並ぶ、帰りのバスに乗り込んだ。
2回、メジャーで48勝を挙げている長身右腕カブレラの外角直球に、バットを合わせて押っつけた。「(カブレラは)近く感じた。ストレートも速かったけど、たまたま甘く入ってきた」。打球は、左翼・和田の頭上を大きく越えて弾んだ。逆方向への長打。高卒新人らしからぬ一打だが、これが大谷の真骨頂だ。6回にも中前打。スタメン出場は11試合ながら、複数安打4度と結果を残し、打率を再び3割台(3割8厘)に乗せた。
一方守備では、3回に井端の邪飛をフェンスに体をぶつけながら好捕した。右足首を負傷した“残像”に、恐れることなく立ち向かった。「走者がいたので何とか捕りたいと思った。フェンスも高かったし、怖さはなかった」。攻守で、スタンドを沸かせた。
初対戦が多くなる交流戦とはいえ、新人の大谷にとっては、同一リーグとの対決と大差はない。また、ベンチ、スコアラーの指示やコーチの指導をすぐに理解し、器用にこなすのが特徴。それがどの試合でも、どの相手でも、コンスタントに結果を残せる秘訣(ひけつ)でもある。渡辺打撃コーチは「言ったことがすぐにできてしまうから、1つのことに絞って言うようにしている。一度に多くのことを言ってしまうと、すべてこなそうとしてしまうから」。守備担当の大塚外野守備走塁コーチも同様の考えで、首脳陣間には「大谷には1度に複数の指導、助言を行わない」という“ルール”が存在している。
大谷は明日16日イースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)に先発登板するため、今日15日の中日戦(ナゴヤドーム)を欠場し、2軍本拠地鎌ケ谷へ移動する。右足首捻挫から復帰した直後から始まった連敗は「8」まで伸びた。「勝っていないので…」。後ろ髪を引かれる思いで、一度チームを離れる。【本間翼】



