ヤクルトが、今季カブスなどでプレーした高橋尚成投手(38)の獲得調査に動くことが4日、明らかになった。球団幹部が「左が欲しかったが、なかなかいなかった。実績があるから、先発をさせてもいい。枠はいっぱいある」と前向きに語ったもの。保留者名簿は現在57人で、新人を含めて63人だから枠は残っている。中日からFA宣言した中田賢の獲得はならなかったが、その分資金面の問題はない。

 今季、チームの左腕先発勝利数はエース石川の6勝がトップで、村中は4勝、赤川は未勝利に終わった。中継ぎ陣勝利もルーキー江村3勝、久古2勝、正田1勝、村中1勝と計7勝止まり。高橋は今季こそメジャーは3試合登板にとどまったが、大リーグ通算4年で14勝、日本では79勝と実績は申し分ない。38歳のベテランが加わることにより、伸び悩んだ若手の刺激になることが期待される。今季は6年ぶりに最下位に沈み、来季は巻き返しをかけた重要な年。補強ポイントである左腕獲得を目指す。

 DeNAも先発補強策として高橋をリストアップしている。阪神からFA宣言した久保の獲得に成功したが、今季、日本人左腕の先発勝利は藤井の6勝のみで、左不足は解消されていない。これまで中畑清監督(59)も「(高橋)尚成はどうなんだろうな。3連戦で1枚ずつ左が入ってくれれば、ローテーションが見えてくるんだけどな」と、母校駒大の後輩に興味を示していた。外国人投手の獲得調査と並行して、ベテラン左腕の動向も注視していく。