ド緊張のタテジマデビューだった。9日、阪神の新人選手入団発表会が大阪市内のホテルで行われた。ドラフト2位の横田慎太郎外野手(18=鹿児島実)が袖を通した真新しいユニホームには、今季限りで引退した桧山進次郎氏(44)が背負っていた「24」が刻まれていた。テレビカメラ12台、報道陣約150人に囲まれた18歳は「桧山選手は日本を代表する素晴らしい選手。24番という素晴らしい番号に…ふが…ふがいない結果を残せるように頑張ります」と言い間違えてしまった。

 もちろん、桧山級の期待を背負う男が目指すのは、ふがいない結果ではない。鹿児島育ちの高校生は人の輪から放たれると「ふさわしい、でした…。こんなに人に囲まれたことはないので…」とほっとした表情を浮かべた。気を取り直すと「自分で(24番を)崩してはいけない。ファンからも好かれていたので、自分もそうなりたい」と言い切り、表情を引き締めた。

 前日8日の体力測定では全新人トップの垂直跳び80センチを記録。走攻守で期待される虎の超人候補だ。最後は「試合とかチャンスは緊張しません」ときっぱり。「24」を背に、今度はプレーでファンの胸をときめかせる。【池本泰尚】