<DeNA10-1巨人>◇7日◇横浜

 8年ぶりとなる巨人戦の3連戦3連勝。DeNA中畑清監督(60)は開口一番「言葉が見つからない」と、いつものパフォーマンスが出てこない。「長いことかかってやっとできた。1回くらいは、こういう勝ち方を、ファンと共にしないとね。待ちに待った勝ち方。しかもウチの顔、大輔が完投して、打線は大量点を取って。諦めないで頑張ればと、みんなに自信になると思う」と、心の底から喜んだ。

 3戦連続で先制したことが、3連勝の要因だ。この日は1回に奪い取った。「ヨッシャー!」。ベンチに、若き和製大砲の雄たけびが響いた。声の主は、5番筒香。2死二、三塁、カウント1-1からのフォークを右前にはじき返す、先制適時打だ。「2アウトからカジさん(梶谷)、トニさん(ブランコ)がチャンスをつくってくれたので、その流れに乗ってヒットでつないでいきたいと思っていました。先制点になって良かったです」と話した。筒香が話すように、2死走者なしからの先制は、つなぎが出来ている証拠だ。

 策もドンピシャ!

 巨人先発が右投げの宮国とあって、前日スタメン起用して先制本塁打を含む3安打の多村を外し、左打ちの石川を先発2番に戻した。その石川が3回に6号ソロ。7回も1死から二塁打を放ち、この回4点を奪う口火を切った。ベンチのタクトにナインが自在に踊るのもチーム状態が良い証拠だ。

 勝っても喜びは爆発させない。むしろ、勝つことで見えるものがある。中畑監督は「必ず反撃される。(今3連戦は)流れはウチにあって、(巨人には負の)かみ合わせもあったので。いつもウチが、ああ、やられていたのかな。ふんどし締めて、明日から大事だよ!」と、3連戦の巨人を、負けていた過去の自軍と重ねていた。圧倒したこの3連戦の戦いを、続けていきたい。【金子航】

 ▼DeNAが巨人戦3連勝。巨人戦3連勝は今季2度目だが、同一カードの3連戦となると06年6月27~29日(横浜)以来8年ぶり。これで巨人戦は7勝6敗と勝ち越し。後半戦では11年7月26日(4勝3敗)以来3年ぶり。巨人には06年から8年連続負け越しているが、05年(16勝6敗)以来の勝ち越しも見えてきた。球宴後は7勝4敗1分け。後半戦では中日(8勝6敗1分け)を抜き、セ・リーグ首位となった。