運命の赤い糸は、ヤクルトとつながった。プロ野球新人選択会議(ドラフト)が28日、東京都内のホテルで開かれ、北照の最強バッテリーはヤクルトから指名を受けた。西田明央捕手(3年)が3位、又野知弥投手(3年)が4位。同じ高校から2選手の同時指名は、道内では初の快挙となった。春夏連続甲子園出場したコンビは、活躍の場をプロの世界に移す。
「えっ???」。北照の西田にとっては、十分すぎるほど、サプライズだった。午後5時から始まったドラフト会議。相棒の又野と一緒に、野球部寮でテレビ中継を見守った。運命の瞬間は午後6時24分。ヤクルト3位に名前が挙がった。直前の情勢では又野の方が評価が高く、先に指名を受けると思われていた。ヤクルト4位は16分後。又野の名前が呼ばれると、2人は顔を見合わせて喜んだ。緊張感が一気に和らいだ。
教育的配慮が敷かれた。2人のどちらかが指名から漏れることも想定し、報道陣は野球部寮で代表取材、会見場の小樽市内のホテルで待機した。そんな心配も吹き飛ばす、堂々の3位指名を受けた西田は満面の笑みで会見場の席に座った。「自分の思っている順位より早く名前を呼ばれたので、頭が真っ白になった。まだ実感がわきません」。その時、又野は頭が真っ白だった。「自分も早く名前を呼ばれないかな」。正直、焦った。だが「頼りになる西田と同じ球団でうれしかった」と運命のやさしいイタズラを喜んだ。
予期せぬ同一球団からの指名。河上敬也監督(51)は「ヤクルトさんに2人が指名されて光栄。何か縁を感じます」と感無量の面持ちだった。
西田は遠投105メートル、二塁への送球1・8秒というプロ並みの強肩と、高校通算34本塁打のパワフルな打撃が持ち味。インサイドワークの巧みさにも定評があり、3拍子そろった捕手として高い評価を受けた。主将として、チームをまとめる人間力も評価された。
又野は打者として注目された。春のセンバツ1回戦の秋田商戦で、左中間最深部にソロ弾を放り込んだ。夏の甲子園1回戦の長崎日大戦では、左翼席にたたきこんだ。大舞台での高校通算35号が、最速142キロ右腕より「打者・又野」としての評価を確実なものにした。
西田は「古田さんみたいに選手を観察し、大胆なリードができるようになりたい」と抱負を口にした。又野は「豪快なスイングをしたい。いろんな選手のいいところを学びたい。2人で早く1軍でプレーしたい」と力強く締めた。【中尾猛】



