阪神が三菱重工広島の田中友博内野手(24=愛知学院大)を今秋ドラフト指名候補にリストアップしていることが17日、分かった。この日のパナソニックとのオープン戦にもスカウトが密着マーク。1番遊撃で出場した田中は、先制右前打を含む3安打の活躍。右前、左前、中越え二塁打と広角に打ち分けた。守備範囲の広さや送球の安定感など守りに定評があるだけに、この日も守備機会は1度だけだったが、そつなくこなしアピールした。

 阪神のドラフト1位候補には早大・有原航平投手(4年=広陵)や済美・安楽智大投手(3年)らが挙がっている。スカウト会議が開かれた3日に、佐野統括スカウトは「全体的に投手が多い。これから詰めて、どういう形でいくか検討します」と話していた。二遊間を守れる社会人内野手が隠し玉として浮上した。

 愛知学院大時代も1番打者を務めたリードオフマン。4年時には主将も任されたリーダーシップも魅力の1つだ。田中は「今は個人のことより、選手権のことを考えています。状態もモチベーションも上がってきている。1番打者としてチームに勢いをつけられるようにしたい」と、11月1日から開催される社会人野球日本選手権大会(京セラドーム大阪)を見据えた。

 ◆田中友博(たなか・ともひろ)1990年(平2)5月12日、愛知・名古屋市生まれ。小4から「東山ジュニアスターズ」で捕手として野球を始める。中学では「東山クラブ」で二遊間を中心に守る。享栄では2年春にベンチ入り。甲子園出場経験なし。愛知学院大では愛知大学野球リーグでベストナインを2度、4年秋は最優秀選手賞を受賞。11年の明治神宮大会では準優勝に貢献。遠投100メートル、50メートル6秒3。177センチ、75キロ。右投げ右打ち。