東日本ボクシング協会が初めて「エアボクシング」の大会を開催することになった。シャドーボクシングのパフォーマンスを競うトーナメントで、8月16日に東京・大森のゴールドジムでプレ大会を開催する。同協会の加盟ジムの会員が対象で、元世界王者らがジャッジを務めるなど試合形式はプロ同様となる。今後はA~C級ライセンス検定試験も実施し、大会を定例化。男女や年齢を問わず、プロではないジムの一般会員にも目標を持ってもらい、競技人口の拡大へとつなげたい考えだ。

 エアボクシングは大橋会長が、東日本ボクシング協会の会長に就任した07年から温めていたプランだった。話題になったエアギターが命名のヒント。トランクス、TシャツとジョギングスタイルでOK。ヘッドギアやグローブはなく、両手にバンデージを巻くだけ。ボクシングの基本中の基本といわれるシャドーボクシングの形やスピードなどを競う。

 ジムに通うのはプロだけでない。健康やダイエット、ストレス発散のための一般会員が、現在は約7割を占める。大橋会長は「彼らにも目標を与えたい。ボクシングの素晴らしさを広めたい」と考え、アマやプロ経験のないジムの一般会員を対象としたイベント開催へとこぎつけた。

 07年に女子プロが公認され、昨年はキッズ大会が実施された。女性や子供の会員も増えたが「スパーリングは怖い。危険だから子供にはやらせたくない」という声も多い。エアボクシングならその心配はない。プレ大会では1回戦で4選手が並んで競う。2回戦からは1回は自由にシャドーボクシングをし、2回は対面してのシャドーボクシングで採点。ただし、相手に接触すれば減点となる。

 大会はプロ形式にこだわる。レフェリー、リングアナは日本ボクシングコミッションから派遣される。3人のジャッジは世界、東洋、日本の元王者の会長ら。「リングアナがあなたをコールし、チャンピオンがあなたを採点する」も売り物の1つ。大会優勝者にはベルトを贈呈し、30位までのランキングも制定する。

 将来的には3段階のライセンスも認定していく。C級は各ジム、B級は各会場、A級は後楽園ホールで試験を実施し、年内に各クラスの本大会を後楽園ホールで開催する予定。「ドクターにも待機してもらいます。限りなく本物です」と大橋協会長は胸を張る。ゆくゆくは全国展開したい考えで、まずは6月からプレ大会の参加者100人を募集する。あなたも参加してみますか?【河合香】