<プロボクシング:WBAライト級タイトルマッチ12回戦>◇25日◇ナミビア・ウィントフーク

 【ウィントフーク=島篤史通信員】同級13位嶋田雄大(たけひろ=ヨネクラ)の37歳11カ月での日本最年長奪取はならなかった。2回にスリップダウンで左太ももを痛めるアクシデントに見舞われ、王者パウルス・モーゼス(31=ナミビア)にジャブでポイントを奪われて、大差の0-3で判定負けを喫した。試合後は不運な展開での不完全燃焼に、現役続行宣言とともに再戦を希望した。日本人の海外挑戦は27連敗。初防衛モーゼスは25戦全勝(17KO)、嶋田は23勝(16KO)5敗1分けとなった。

 嶋田が2回にアクシデントに見舞われた。青コーナー付近で踏ん張った足が滑り、開脚するように転倒。すぐ立ち上がったが、左太もも裏を痛めた。

 「前の試合で使った水が残っていた」と柴田トレーナー。その不運がすべてだった。嶋田は「12回までずっと、つっている感じ」と言い、試合後は1人で歩けない状態。リーチで12センチ上回る王者のジャブをもらった。

 9回から強引に前に出て連打した。「回復したと思わせ、突っ込んでいった」。ボディーを中心に反撃したが、右カウンターを警戒する王者に逆転打を浴びせることはできず。採点は8~10ポイントと大差がついた。「もともとポイントで勝てると思っていない」と素直に受け入れた。

 それでも序盤のアクシデントを悔やんだ。「めった打ちに遭ったわけでない。右足だけで左もよく当たった。パンチは見え、届く範囲の相手。全部の力を出せていたならと思うと…」。2度目の世界戦で集大成としたが、完全燃焼できなかった無念が口をついた。世界との力の差は感じなかった。日本最年長記録の2歳11カ月更新はお預けで、国内ではあと2年現役の猶予がある。「きっと届く。ネバー・ギブアップ」と、ベルトはあきらめていない。