WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志(30=ワタナベ)がサッカーW杯16強の「岡田ジャパン」流高地トレーニングを導入する。3度目の防衛戦は来年1月に暫定王者ソリス(メキシコ)との統一戦が有力。交渉次第で敵地開催もあり得る。4日にメキシコでの女子世界戦から帰国した渡辺均会長(60)は5日、「11月上旬に2週間ぐらい、高地トレでメキシコに行かせたい。向こうで万が一することになれば備えにもなるし、体力づくりにもなる」と、標高約2200メートルのメキシコ市合宿計画を明かした。

 そこで参考となるのが岡田ジャパンだ。サッカー日本代表は今年のW杯南アフリカ大会前、高地順化の専門家スタッフを帯同させて標高約1800メートルのスイス・ザースフェーで合宿を行い、順化に成功。豊富な運動量を武器に、標高1400~1500メートルの準高地を含む環境下で1次リーグを突破した。

 渡辺会長から「決まったら相談したい」と言われた内山のフィジカルトレーナー土居進氏は「W杯の日本代表は参考にします。似たやり方になると思う」と話した。「体がどういう反応をするか調べた方がいい」と血液などの数値を計測したり、岡田ジャパンが実施したように健康カードも記入させるなど、持久力アップだけでなく敵地開催の緊急時に備えデータを集めるつもりだ。

 この日、ジムワークを再開させた内山は「試合がどこになるにせよ、合宿はためになる」と過酷なメキシコ合宿も歓迎した。敵地開催になった場合にも「しようがなく、そう(敵地開催)なったら覚悟はできています」と宣言していた。【浜本卓也】