<126大会出場日本選手独占インタビュー上>

 【米ラスベガス2日(日本時間3日)=藤中栄二】UFC初参戦の山本“KID”徳郁(33=Krazy

 Bee)が衝撃デビューをUFC社長に確約した。新設のバンタム級(61・2キロ以下)で、5日(日本時間6日)のUFC126大会(米ラスベガス)に参戦する。対戦相手デミトリアス・ジョンソン(24=米国)らと会見に臨んだ山本はダナ・ホワイト社長(41)に大会MVPとKO賞を奪うファイトを約束。また日刊スポーツの取材に応じ、前座からUFC王座を目指す意気込みを示した。

 前座カード(第3試合)ながら、UFCの要請を受けて山本は米メディアが詰めかけたマンダレイベイでの公式会見に登場した。冒頭にホワイト社長が「KIDはファイト・オブ・ザ・ナイト(大会MVP)とノックアウト・オブ・ザ・ナイト(KO賞)を取ると言った。面白い試合になる」との約束を明かすと、場内がどよめいた。その雰囲気を楽しむように山本は余裕の笑みをみせた。

 山本

 確かに(社長に)そう言ったよ。メーンの選手しか出ないような会見に呼ばれたのは光栄なことだし。最初から今年は米国でやりたかった。このタイミングで自分の階級がUFCにできたことは大きいね。

 おいの貪欲に触発された。姉美憂の長男アーセン君が昨年9月から12歳でハンガリーにレスリング留学。「20歳で金メダル」を掲げる少年の姿に自身の原点を重ねた。

 山本

 あいつは五輪金メダルを目指しているから。オレも、もうすぐ「世界」を取るからなって。UFCはランキング、王座、階級が決まり、世界の強いヤツが集まる。UFCのベルト獲得が事実上、世界のトップだと思うから。

 アマレス時代となる桐蔭学園高中退後の約4年間、米国留学経験がある。00年に格闘技に転向してから「いつかはUFC参戦」と胸に秘めていた。

 山本

 昔からUFCを意識していた。今までは自分の階級がないから縁がなかっただけ。ここからUFCバンタム級の中心になりたい。集大成のつもりで、すべてを出したい。

 日本ではメーン級選手だが、米国での実績がない。そのため今回も第3試合の前座カードで組まれた。しかしゼロからのスタートを切ることに胸を躍らせる。

 山本

 今、UFCの一番下の位置から上にいく。これがワクワクする。オレの獲物がいっぱいいるし。今まで日本でやってきたことを米国ですべて出したい。目標はベルト。タイトル戦は自然の流れでやれればうれしい。

 前座からベルト奪取へ、山本はアメリカンドリームをつかむつもりだ。