7日に行われるWBA世界フライ級王座戦の前日計量が6日、神戸市内で行われた。同級11位亀田大毅(21=亀田)は50・8キロでパス。昨年10月の王座獲得失敗後は練習法を変え、1人で海外合宿もし、大好きな食品も我慢するなど、この一戦にかけてきた。入場曲を「男一匹ガキ大将」から韓国ドラマ「風の国」のテーマ曲に変更することも判明。心機一転で大一番に臨む。同級王者デンカオセーン・カオウィチット(33=タイ)は50・2キロで計量をパスした。

 大一番前日、大毅の気合が乗ってきた。調印式序盤こそマスク姿でうつむきがちにし、減量苦を想像させた。だが、デンカオセーンの「技術を見せる」発言に「何を言ってるのかな?

 クリンチやめてくれよ」と挑発。写真撮影では握手を無視され苦笑したが、王者に何度か鋭い視線を浴びせ「怖さが全くない。見たら分かるやろ。新たな技術、見てみたいな。見る前に終わるかも」と言い放った。

 昨年10月にデンカオセーンに負けた後、心機一転を図ってきた。練習法も自分で考えるメニューが増え、1月には初めて1人でフィリピン合宿を行った。関係者によると、大好きなレトルトカレーや炭酸飲料も我慢。世界戦2連敗という悪い流れを断ち切るために今までしなかったことに着手し、強気を取り戻した。

 そんな大毅の思いが入場曲変更につながった。これまでは、漫画「男一匹ガキ大将」の主題歌で入場したが、今回の再戦が決まると「2回は負けすぎやろ。考えなアカンな」と変更をほのめかしていた。そして今回、伝説の王の生涯を描いた韓国ドラマ「風の国」のテーマ曲に変更。「見せてやれ

 ど根性」という豪快な歌詞に乗ってきたこれまでとは違い、歌詞のない壮大な雰囲気の曲になる。推薦した父史郎氏は「勝ちに行くにはうってつけや。大毅も二十歳超えたしガキ大将ちゃうしな」と説明した。

 調印式の最後、大毅は「やることはやった」と胸を張った。「兄弟王者を目指して小さいときからやってきてる。間違いなく明日、王者になると思う」。デンカオセーンへのリベンジと日本初の兄弟王者という夢実現に向け、準備は整った。【浜本卓也】