AKB48を卒業する川栄李奈(20)が、舞台「AZUMI幕末編」(9月11~24日、東京・新国立劇場中劇場)に主演することが2日、分かった。「AKB48真夏の単独コンサート」で発表。明日4日のAKB48劇場(東京・秋葉原)公演でグループを卒業するが、初舞台で主演の大抜てきから、本格女優業をスタートさせる。

 川栄のニュースを高橋みなみ(24)が切り出した。「ここで、お知らせがあります」。直後、ステージ後方のモニターに「川栄李奈 卒業後初仕事決定!」と表示され、舞台の詳細が明かされた。

 どよめきが起こった。メンバーが一斉に「おめでとう!」と祝福し、高橋は涙した。「あずみ、大好き! ううう…川栄、あずみ、すごいじゃん!」。川栄は大歓声の中、笑顔で言った。「初めての舞台で、そして初めて主演で。本当に緊張しますし、ものすごく不安なんですけど、AKB48で5年間学んだことを生かしつつ、また新たな道をスタートできたらいいなと思います」。

 原作は、漫画家小山ゆう氏が「ビッグコミックスペリオール」に94年から14年まで連載した人気漫画「あずみ」。第1部は03年に上戸彩主演で映画化され、05年には黒木メイサ主演で舞台化された。今回の舞台化は08年から始まった第2部で、時代を幕末に移し「AZUMI」として生まれ変わる。刺客という使命を背負いながら、屈強な男たちに立ち向かい、双子の兄駿介、坂本龍馬、勝海舟とともに新しい歴史を築く姿を描いている。

 川栄は昨年5月、AKB48の握手会で男に切りつけられ、右手親指を裂傷して骨折した。そんな川栄が「来るな! 来れば斬る! 言っとくが、俺は強い」と叫び、人を斬りまくる刺客のあずみ役に抜てき。関係者は起用理由を「卒業して、独り立ちする彼女の姿が、たった1人で強く生きているあずみに重なってくる。あえて、刺客という役で、あの事件を払拭(ふっしょく)してほしい」と説明した。

 共演は浅香航大、渡部秀、久保田秀敏、早乙女友貴、町田慎吾ら。

 ◆川栄李奈(かわえい・りな)1995年(平7)2月12日、神奈川県生まれ。10年7月に加入。13年にフジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」テスト企画に出演して以来、おバカキャラが定着。総選挙は、第3回から圏外→圏外→25→16位。愛称「りっちゃん」。血液型O。

 ◆AKB48襲撃事件 昨年5月25日に岩手県滝沢市で行われた握手会で、川栄と入山杏奈が、のこぎりを持った男に握手レーンで襲われた。2人は手の骨折などの重傷を負い、盛岡市内の病院で手術を受けた。止めに入った男性スタッフを含む3人も負傷して入院した。殺人未遂容疑で現行犯逮捕、起訴された梅田悟被告は、今年2月に懲役6年の実刑判決を受けた。