NMB48兼AKB48の渡辺美優紀(22)が13日、大阪・NMB48劇場のチームB2公演で卒業を発表した。10年10月のグループ創設時から「ダブルエース」として引っ張ってきた山本彩(22)も駆けつけ、新曲「甘噛み姫」を劇場初披露した後、渡辺が切り出した。B2の薮下柊(17)らを見つめながら「入った時より(卒業は)大決断でした。次世代と呼ばれるメンバーに今を任せたい。心から思いました」と話し始めた。

 涙で声を震わせながら、山本と競い、走ってきた5年半を振り返った。「彩ちゃんには一番素直になれなかった。でも本当に運命の人でした。私が一番誰よりもすごいことを分かっていて、誰よりも私が(山本を)尊敬しています」と涙ながらに山本に目をやった。

 山本とは同い年で身長も血液型も同じ。山本は創設時からキャプテン、渡辺はデビュー曲「絶滅黒髪少女」でセンターを務めた。「Everyday、カチューシャ」でAKB48シングル初選抜に入った際も一緒だった。写真集の同日発売対決など2人が競り合うことでグループも活気づいた。

 渡辺は人懐っこさから「天性の釣り師」と呼ばれ、小悪魔風な「わるきー」のニックネームもついた。自由奔放でつかみどころのない性格。卒業をめぐっても、今年の選抜総選挙不出馬を早々に明言後、3月24日にトークアプリ「755」で新曲「甘噛み姫」に触れ、ファンに向けて「(握手会に)申し込まないで」「そこまでここにはいないと思う」と書き込むなどして波紋を広げた。

 実は昨年12月に卒業を決めており、この日も「最後までNMBのために力になりたい」と表情を引き締めた。今後の活動、卒業公演など詳細は未定だ。【村上久美子】

 ◆渡辺美優紀(わたなべ・みゆき)1993年(平5)9月19日、奈良県生まれ。10年10月の創設メンバーで翌11年発売のデビュー曲「絶滅黒髪少女」でセンター。加入半年でAKB48シングル選抜、兼任2回。選抜総選挙は2回選抜入りで最高位は昨年の12位。14年9月、AKB48グループのじゃんけん大会で優勝してソロデビュー。155センチ。血液型B。愛称「みるきー」。