プレーバック日刊スポーツ! 過去の11月11日付紙面を振り返ります。2013年の芸能面(東京版)は、第1回AKB48グループのドラフト会議で須藤凛々花の交渉権獲得カードをNMB山本彩が引き当てたことを伝えています。

 ◇ ◇ ◇

<AKB48グループ・ドラフト会議>◇10日◇東京・グランドプリンスホテル新高輪

 AKB48初の試み「AKB48グループ ドラフト会議」が10日、プロ野球のドラフト会議と同じ会場、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された。4つの48グループの10チームが指名に参加。1巡目指名では、東京都の須藤凛々花(16)に3チームが重複。NMB48チームNの山本彩(20)が交渉権獲得のカードを引き当てた。最終的には全29人中20人が指名を受けた。

 本家プロ野球と同じ、関野浩之アナウンサーの声で「須藤凛々花」と3回連続でコールされた。SKE48のK2、E、そしてNMB48のN。会場の1200人のファンも大きくどよめいた。控室で祈るように見守る須藤の瞳が、みるみる潤んだ。K2佐藤実絵子、N山本、E松井玲奈の順で抽選。先にハズレを引いた佐藤にのぞき込まれる中、ゆっくりと封を開けた山本は、交渉権確定の文字を確認すると「キャー!!」と小躍り。Nの同僚渡辺美優紀らも大喜びした。

 9月の最終オーディションは受験番号48。携帯電話の暗証番号など私生活の全てでも48にこだわった少女だ。「3チームからなんて信じられない、とても光栄です。でも(踊りが苦手で文科系の)私が一番指名されなさそうな、体育会系チームからで、びっくりです」と涙ぐみながらも天然発言で会場を爆笑させた。

 小顔でスリムな外見だけでなく中身も優秀。母子家庭で、小学生の弟の面倒を見ながら進学校に通い、将来は哲学者を目指すつもりだった。しかも「私の24時間は勉強とAKB48のDVDを見ることの繰り返し。DVD鑑賞が真剣な時間で勉強が息抜き」と言うほど熱烈なファンだった。

 大舞台での強さも実証済みだ。候補者全員で出演したテレビ番組「AKBINGO!」も最後に天然ボケ発言で締めてみせた。番組プロデューサーも「かわいいだけでなく笑いの神にも愛されている。絶対に欲しい逸材」と評した。

 アイドルにとって16歳からのスタートは、決して早くはない。スターに上り詰めるには即戦力での活躍が必須。時間的余裕のある12、13歳の新人らよりも、いばらの道が待っているが、チームNが須藤しか指名しなかった結果も受けて「すごく気合が入っています。ペナントレースも始まるので、Nが最強チームになれるように死ぬ気で貢献していきたいです!!」と新人らしからぬ大胆な誓いを立てた。素材も態度も規格外の大物ルーキーが誕生した。

※記録と表記は当時のもの