3カ月間に及んだ泥沼離婚劇に終止符を打ったはずのジョニー・デップとアンバー・ハードが、示談金を巡って再びバトルを繰り広げています。ハードがデップから家庭内暴力(DV)を受けたと主張して離婚を申請したのが今年5月23日。その後は互いを傷つけるような情報リークの応戦を繰り広げてきましたが、今月16日にハードがデップへのDVの訴えを取り下げ、デップがハードに700万ドルを支払うことで合意。一件落着と思われていました。

 2人は共同で声明文を発表し、その中でハードは離婚で得た700万ドルを慈善団体に寄付することを発表。その2日後、「私にとってお金は重要ではありません」とコメントし、自分を守るすべを持たない人たちを助ける目的に使いたいとし、女性へのDV撲滅運動に力を入れているアメリカ自由人権協会(ACLU)とチルドレンズ・ホスピタル・ロサンゼルスという2つの団体に寄付をすることを公表しました。それから1週間後の25日、デップはハードの希望通り、2つの団体にハードの名前で寄付。「彼女の寛大な心に敬意を表する」と声明文を発表しました。

 報道によると、デップは2つの団体にそれぞれ350万ドルずつになるよう分割で支払うことにし、その第1回目の支払いを済ませたということでしたが、ハードがこれにかみついたのです。慈善団体に寄付した場合は税金控除が受けられることを引き合いに、デップ自らが直接寄付するならば700万ドルではなく倍の1400万ドルを支払うべきだと主張。ハードに対して支払うことで合意した内容を変更するならば、700万ドルに相当する金額を払うべきだと激怒しているのです。

 つまり裏を返せば、700万ドルを直接手にできなかったことに激怒しているとも受け取れます。最初から寄付をするのなら、デップが直接支払おうが何ら問題はないはず。そのため、本当はこの700万ドルを寄付するつもりはなかったのではないかと言われ始めています。そもそも、離婚を申請した当初は毎月の生活費として月およそ94万ドルという高額な扶養料を請求していたハード。「金銭目当てで、DVは嘘」などと世間からバッシングされたために扶養料の請求を取り下げた過去があります。もちろん扶養料のほかにも、弁護士代など裁判費用や高額な慰謝料も求めていたと言われており、ハードの本性を見抜いていたデップが最後の最後で仕返しとして、自ら寄付をしたのではないかというのです。本当のことを知るのはハード本人だけでしょうが、まだまだ場外バトルが起こる可能性も十分にありそうです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)