乳がんで闘病中の小林麻央さん(34)のブログが反響を呼んでいる。「がんの陰に隠れない」という強い思いから今月1日に開設した。

 抗がん剤の影響で髪が抜け、金髪のかつら姿を公開したり、左の乳房にパチンコ玉大のしこりに気づいた時の驚きを明かすなど、がんと分かるまでの経緯や闘病の様子を克明に生々しくつづっている。

 なぜ、ここまで書くのか。「感動した」という声がある一方で、「ここまで書く必要があるのか」と批判的な声もある。

 ブログ開設は同じような病に悩み、苦しむ人たちに向けてという面もあるだろうが、1番大きいのは幼いわが子へのメッセージという点だろう。長女麗禾ちゃんが5歳、長男勸玄くんが3歳と幼く、母親と一緒にいたい時期だが、麻央の入院で、それもかなわない。それだけに、幼い子供たちが大きくなり、物事を理解するようになった時に、読んでほしいという思いがあるのだろう。

 乳がんが判明した時、勸玄くんに授乳中だった。「当時は、震えながらネットで『授乳 乳がん 赤ちゃん 影響』と調べまくっていた」と母乳を経てがんの影響が子供に出ないかを必死に調べ、「私のおっぱいを飲んでいたことで子供が将来がんになったらどうしよう、私のせいだ」と、医師に関係ないと言われるまで自分を責めたという。

 肺や骨に転移したことを明かした日には、トイレットペーパーの端をさまざまな形に折った写真を掲載。「リボン」「ハート」「おさげ」と紹介しながら、最後に「トイレットペーパーでなく、娘の髪の毛をおさげに編みたいです」と、娘を思う気持ちを吐露した。

 最近のブログでは「私には目標があり、それは、幼稚園の運動会に行くことです」とつづった。今は母がそばにいない寂しさに耐えている子供たちも、いつか、母の大きな愛を感じることだろう。【林尚之】