アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズなどの作品で知られ、現在放送中のテレビアニメ「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」のクリエーティブ・プロデューサーを務めるアニメ監督の福田己津央氏(54)が2月28日、 同作のワンシーンが自爆テロを想起させるとして規制を受けたことを自身のツイッターで明かした。規制により作画だけでなく演出が大きく変えられたことに「そもそもこれ、規制必要か?」と疑問を呈した。

 福田氏は28日、「今日は腹が立ちました。監督からのご注進で…。久々に机を蹴っ飛ばした」とツイート。「全くもってとんでもなくばかくさい規制を食らってしまった」と、同作のワンシーンが規制を受けたことを明かした。

 問題となったのは、身体に爆弾を巻きつけた登場キャラクターがその後、爆発死するというシーン。身体に爆弾を巻きつけるという表現が規制されたようで、福田氏は当該部分のコンテを披露しながら、「爆弾を見せないから、何故あそこで爆発があったか分からなかったし、あれじゃあタスクが生きてることになってしまう。酷いセンスだ…」「おかげで何が有ったのか、前後の繋がりが全く分からない。これを考査で言ってくるセンスが素晴らしすぎて、開いた口がふさがらないわ」と嘆いた。

 規制を受けたことについて、「自爆テロねえ…。もう9.11の前から後をたちませんね。もう10年以上前。なんで今更…? 普段は気にもとめていないのに。まあ、規制とはそんなものか。まっとうな理屈が有るとは限らない」とコメントしている。

 フランス・パリでの新聞社襲撃事件や、過激派組織「イスラム国(IS)」による邦人人質事件が起きて以降、テレビ番組では演出や放送内容の変更をするなどのケースが相次いでいる。先月23日放送予定だったアニメ「暗殺教室」第3話では登場人物が刃物を振り回すシーンがあったため放送を見送り。同日放送の音楽番組「ミュージックステーション」では3人組ロックバンド凛として時雨が新曲の「血だらけの自由」「諸刃のナイフ」といった歌詞の一部を変更して披露した。