新日本プロレスのエース、棚橋弘至(38)が、アニメ映画「ドラえもん 新・のび太の日本誕生」(八鍬新之介監督、来年3月5日公開)で声優に初挑戦することが20日、分かった。新日の先輩レスラー真壁刀義(43)、タレント小島よしお(34)とともに原始人のクラヤミ族を演じる。

 新日本の真夏の祭典、G1クライマックスを制した棚橋が、「新」「日本」の3文字がタイトルに入ったドラえもん映画の“リング”に立つ。小学6年の長女と4年の長男を持つ2児の父だけに「子供たちと一緒に『ドラえもん』を見るたびに、人と人とのつながりや温かい人間味が心に、じーんときます」と毎週のテレビ放送を見ている。12月のアフレコを前に「出演できるなんて棚橋家の歴史に残ります」と父の顔を見せた。

 6月公開の映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」で声優デビューした真壁も、アニメの声優は初挑戦。「自分が小さい頃からある人気アニメに出演だなんて、真壁家の歴史に残る光栄なことです」と喜んだ。「ドラえもん」の声優にプロレスラーが起用されたのは、新日本プロレス創始者で現IGF会長のアントニオ猪木(72)が、2007年(平19)7月13日にテレビ朝日系で放送された「ドラえもん」(金曜午後7時)に本人役で出演して以来で映画では初めてだ。

 棚橋と真壁はダンスにも挑戦する。小島と、ランドセルのCMで人気の子役エヴァ(7)と「ウンタカ★ドラドラ団」を結成。オリジナルの“ウンタカダンス”を踊り、10月30日からテレビシリーズのエンディングで流れる。2人はプロレスでは要求されない、細かくリズミカルな動きにも見事に対応。棚橋は「プロレスラーがダンスだなんて、間違いなく足を引っ張るのは自分と真壁さんだと思いましたので、プレッシャーの中、頑張りました」と胸を張った。真壁は「覚えるのに、とても苦労したクイックな動きはプロレスにも生かせると思いました」と新技開発に意欲を見せた。

 小島は持ちネタ「そんなの関係ねぇ!」がダンスの中に入り「小島家一族に伝えたい」と喜んだ。エヴァは「覚えるのが大変だったので頑張っておうちで練習してきました。『どこでもドア』でハワイに行きたい」と夢を膨らませた。

 ◆真壁刀義(まかべ・とうぎ、本名・伸也=しんや)1972年(昭47)9月29日、相模原市生まれ。96年に新日本に入門。09年G1クライマックスを初制覇。得意技はキングコングニードロップ。スイーツ好きで、日本テレビ系「スッキリ!!」毎週金曜日の「スイーツ真壁のうまいッス」を担当。181センチ、110キロ。

 ◆棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年(昭51)11月13日、岐阜県大垣市出身。立命大から99年に新日本入団。同10月10日、真壁伸也(現刀義)戦でデビュー。IWGPヘビー級は通算最多防衛28回、連続防衛11回、最多戴冠7回。得意技はハイフライフロー。「100年に1人の逸材」と呼ばれる。仮面ライダーマニア。03年5月に一般女性と結婚。181センチ、103キロ。

 ▼「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」 のび太(大原めぐみ)は叱られてばかりで家出しようと思うが、持ち主のいない土地がないことを知る。ドラえもん(水田わさび)しずか(かかずゆみ)ジャイアン(木村昴)スネ夫(関智一)も家出を決心するが、行くところがなく途方に暮れる中、誰も住んでいない太古の日本へ行こうと思い立ち、7万年前の日本へ史上最大の家出を敢行する。シリーズ歴代1位の420万人を動員した、89年公開の同名作品のリメーク。