お笑い芸人の厚切りジェイソン(29)が、初の著書「日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy」(ぴあ刊)を来月5日に発売する。IT企業役員でありながら、「Why Japanese people!?」と叫ぶネタでブレーク。SNS上でのお悩み解決が話題で、人生相談書の発行につながった。この1年の活躍も振り返りつつ、思いを語った。

 外国人から見た日本の言葉や文化の「なぜ?」をネタに叫び続けるジェイソンの、ポジティブな人生相談が話題だ。ツイッターや、トークライブアプリ「755」には、ユーザーからのお悩みが日々寄せられ、ツイッターのフォロワー数は24万人を超える。同書では、仕事論や人生論、夢、哲学など48の疑問に、ジェイソンが直球勝負で答える。

 「いろいろなメッセージを伝えたくてツイッターを始めたんですけど、限られた文字数で深くしゃべれないので、本で補足したいと思っていました」

 会社役員であり、売れっ子芸人として多忙な生活を送りながら、移動時間などに返答している。「パッと思いついたことを書いてます」というが、相談に対する率直な回答には、日本人にとっては、目からうろこが落ちる考え方も多い。

 「海外では常識であることが、日本ではそうではないこともあります。何か答えると、賛同してくれる人も、反論される人もいて、それぞれの意見を見るのも楽しいし、知るのもおもしろいですね」

 昨年10月にデビューしてちょうど1年。今年2月のピン芸人日本一決定戦「R-1ぐらんぷり」で決勝に進出して一気にブレーク。その時期は、会社の上場準備とも重なった。

 「去年まで普通のサラリーマンでしたから、まだ実感もないし、不思議な気持ちです。今年4月に会社が上場して、それだけで人生が変わるような話なのに、芸人として忙しい時期が同時に重なりました。ちょうどDVDの収録もしていて、声をからした後に会議をしていました(笑い)」

 同書を、国や個人が変わる1つのきっかけにしたいと願いを込める。

 「誤解してほしくないのは、僕は決して日本が嫌いなのではなくて、むしろ大好き。少しでも日本が、よりグローバルで活躍できるように、貢献できたらうれしい。『こういう考え方もあるよ』というのを知ってもらって、議論が始まって、変わる部分もある。もちろん個人として活躍することにも、役立てていただければと思います。以上!」【大友陽平】

 ◆厚切り(あつぎり)ジェイソン 本名ダニエルソン・ジェイソン・デビッド。1986年4月9日、米ミシガン州生まれ。17歳でミシガン州立大入学。イリノイ大アーバナ・シャンペーン校でコンピューターサイエンス学科修士課程修了。05年に来日し日本の魅力に触れ、11年に再来日。IT企業役員を務めながら、ワタナベコメディスクールに入学し、14年10月デビュー。芸名は居住する神奈川・厚木市や、胸板が厚いことなどにちなんだという。186センチ。