米国の元プロレスラー、スタン・ハンセン(66)が12日、都内で著書「日は、また昇る。男の引き際と、闘うべきとき」の出版イベントを開いた。

 著書の出版記念はもちろん、今回の来日は15日に開催されるプロレスラー天龍源一郎の引退試合に合わせたもの。

 ハンセン引退のきっかけは天龍との試合だった。「あの日試合でKOされて、スティーブ・ウイリアムスに控室に担ぎ込まれたのだが、試合内容が全く記憶になかった。100%のパフォーマンスを出せなくなったことを自覚し、引退を決意した」と振り返った。天龍との対談も著書に収められている。

 現役時代は目の前の相手を倒すことだけを考えていたというハンセンは、「引退後にファンが自分のことを見ていてくれたことがわかった」という。

 「この本は自伝ではなく、引退後の人生で経験した伝えたいことをまとめている。全ての答えがあるわけではないが、何か参考になることがあるかもしれない。プロレスファンだけでなく、多くの人に読んで欲しい」とPRした。

 「大勢の仲間たちが他界している中、自分も天龍(源一郎)も、まだ生きている。ライフ・イズ・エキサイティング」。

 現役時代は「ブレーキの壊れたダンプカー」と形容されるブルファイターだった。引退から15年を経て、優しく温かい笑みを浮かべる好々爺(や)に変わっていた。