東宝の川村元気プロデューサー(36)が初めて執筆した小説で、佐藤健主演で映画化し来年公開される「世界から猫が消えたなら」(永井聡監督)のオーディオブックが13日から配信され同日、出版元でもある都内のマガジンハウス本社で制作発表会見が行われた。
この日は川村プロデューサーと主人公の僕、悪魔、ナレーションの3役を演じた、人気声優の小野大輔(37)が出席した。
川村プロデューサーは「告白」「悪人」(10年)、「モテキ」(11年)、「バクマン。」(15年)などの実写映画のほか、細田守監督「バケモノの子」のアニメ映画に加え、今年はBS11などで放送されたアニメ「血界戦線」などをプロデュースした。「世界から猫が消えたなら」は、13年に妻夫木聡主演でNHK FMでラジオドラマ化されているが、オーディオブック化が企画された段階で、周囲の監督らにいい声優が誰かとリサーチし、最も勧められたのが小野だったという。小野は男性声優でも屈指の人気者だけに、「スケジュールを切れないと言われていて、ここ(会見の席)に座っているのも奇跡」と、あらためて喜んだ。
小野は「役者冥利(みょうり)に尽きる。本当にありがたい。この作品を読んでいて、自分に近しい部分を感じた。ストーリーで紡がれていく流れが、僕が役者として生きてきた人生にも(似たようなこと、思いが)あった。お父さんに対する感覚とか、自分っぽいとシンパシーを感じたんです」と笑みを浮かべた。それを聞いた川村プロデューサーは「僕と小野さんは同じ年なので、ちょうど見てきたものや世界との距離感が、近しいものがあるのかもしれない」と分析した。
日本のみならず、世界でも注目される川村プロデューサーだけに、初の小説もLINE公式アカウント初の連載小説から出版、ラジオドラマ化、実写映画化、そして今回のオーディオブック化と多メディア展開が進んでいる。「実写映画とオーディオブックは関わっていくのか? アニメ化、そして小野さんの起用はあるか?」と質問が出た。川村プロデューサーは「映画とは関係ないものとして考えています。小説を書く時も映画が苦手なものを狙った。オーディオブック化も、それじゃなきゃできないことをしたかった。アニメの企画は幾つかいただいていますが…一体、どうやるんだろう? もしやるなら、ぜひ(主演は)小野さんで」と答えた。小野は「僕らは自分で仕事を作れない。まず作品、脚本がないとせりふを一言もしゃべれない。(声優業は)作品ありきだと思っています。この作品は、寄り添うために呼ばれた感覚が強い。作品に必要だと思われるのが、僕にとってやりがいなので、オファーを待ちたいと思います」と笑みを浮かべた。



