落語家桂春蝶(51)が14日、大阪市内で独演会「落語で伝えたい想い」の第12作「それゆけ、タイガース!」(6月13~14、20~21、扇町ミュージアムキューブ CUBE01)の取材会に出席した。
春蝶は2013年から、「命の落語」をテーマに、その時々で伝えたいと思っていることを創作落語に込めた「落語で-」を続けており、ライフワークとなっている。父である先代の桂春蝶が亡くなったのと同じ51歳になり、「51歳。2代目に捧ぐみたいな一席をタイガースをテーマに作れないか」と、大阪の街の軍需工場を舞台にした戦前から阪神が優勝した85年までの親子3代のストーリーを描く。
09年に3代目桂春蝶の襲名披露公演を行った大阪松竹座が、「御名残五月大歌舞伎」千秋楽の26日をもって閉館となる。
春蝶は「寂しすぎて見に行けない。自分の中で揺れてしまうやろうなと思ったので見ないようにしている」と複雑な思いをちらり。「僕らにとって中座があこがれの舞台になっていたところから始まって、道頓堀には5座があって、その賑わいがあって松竹座もあって。道頓堀が外国の人であふれて街の様子も変わって。大阪の街に芝居の小屋がなくなる。あるいみ、阪神タイガースから阪神の名前が失われるくらいの寂しさがある。阪神タイガースがなくなれば、僕は阪神電車にもよう乗らんようになると思う」と大ファンの阪神になぞらえた。
大阪松竹座は解体される。何らかの形で劇場機能を継続する方向で協議が続けられているが、「道頓堀であってほしい。人間が人間である唯一の条件って文化。その文化を喪失してしまった街って悲しい。自分たちがどんなふうにして生きてきたのかという伝統みたいなものの中に大切にしてほしい。革新と伝統がバランス良くあってほしい。文化を喪失してしまった民族って長続きしないと思うので何とかしてほしい」と切に願った。



