昨年大みそかに放送された「第66回NHK紅白歌合戦」の第2部(午後9時~同11時45分)の関東地区の平均視聴率が、前年を3ポイント下回る39・2%と、歴代最低記録だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。第1部(同7時15分~)も34・8%(関西36・8)で、前年を0・3ポイント下回った。

 “目玉なし”と事前に心配された通り、視聴率は過去最低を記録した。サプライズ演出に乏しかったことも要因の1つと言えそうだ。

 ただ、サプライズと言えば、AKB48にOGの大島優子や前田敦子が、同グループの卒業を控えた高橋みなみを激励に駆けつけた。事前には知らなかった高橋は驚き、涙を流したが、これは高橋にとってのサプライズで視聴者を驚かせ、数字アップとはならなかった。

 紅白を卒業する森進一の歌唱にも特別な演出はなかった。前年、出場者の中では最も高い視聴率47・5%(関東地区)を記録した松田聖子の大トリも2回目。全体的に新鮮さに欠け、淡々とした印象だった。

 前年はサザンオールスターズや中島みゆきが登場し、活動を休止していた中森明菜が米国から中継で出演するなど話題は多かった。それでも平均視聴率は13年の44・5%(関東地区2部)から2・3ポイント下げた。

 ビデオリサーチによると、占拠率(シェア)も関東地区で2部は48・0%と前年の51・3%から3・3ポイント下げた。裏番組は格闘技系が多く、午後10時台はTBS系「KYOKUGEN」が9・0%と前年の同時間帯の3・4%からアップ。フジテレビ系「RIZIN」も同8時45分~同10時30分まで7・3%と、前年のほぼ同時間帯3・3%から数字を伸ばした。格闘技系番組の健闘が紅白に影響を与えたとも言えそうだ。【中野由喜】