NHK「みんなのうた」で6、7月放送の「おおきなおなか」が、多くの母親の共感を得ている。歌詞はおなかの赤ちゃんに、日々の生活や喜び、不安を語りかける「妊婦目線」で、<歌詞>会いたい気持ちが、おなかより大きい…などと歌われている。

 今月1日の放送開始から同局には100本に迫る女性からのメールが寄せられた。多くが育児に追われる女性で「9カ月になる娘がおなかにいたころを思い出して、穏やかな気持ちになった」「突然流れたこの曲に思わず息子をぎゅっと抱きしめた」「おなかの中でも頑張ってくれていたんだなと…涙が出た」など、妊娠中を思い出し、感極まる様子がつづられている。

 歌っている男女2人組CRaNE(クレイン)は浜松市を拠点に7年前にデビュー。CDも浜松の独立系(インディーズ)メーカーのミュータウンレコードから8日に発売した。ギター田中昇吾(35)の曲に歌詞をつけたボーカルsanae(29)は独身で、スタッフの家族や知人を通じて、妊婦の心境を取材したという。幼なじみが語った流産の悲しみは、直接的な表現にはしなかったが、歌詞にも歌唱にも深みを加えた。ただし、喜びを歌う曲に仕上がったことは言い出せなかった。

 放送初日、番組を見たその幼なじみから連絡を受けた。「怒ってないか心配だったけど、『おめでとう』と喜んでくれました。そして、あらためて『今日、検査に行ったら妊娠してたよ』って…」。sanaeの涙も止まらない。地域密着らしく、周囲のエピソードが曲に響いた。【久我悟】

 ◆CRaNE(クレイン)ボーカル、作詞sanae(さなえ)、ギター、アレンジ田中昇吾(たなか・しょうご)とも浜松市生まれ。09年「希望の空」でデビュー。10年、五十嵐浩晃の「ペガサスの朝」をカバー。静岡県内でラジオ番組、テレビ主題歌など担当。