女性として世界最年少でエベレスト登頂に成功した南谷真鈴さん(19)が6日、都内で行われた映画「ヒマラヤ~地上8000メートルの絆」(公開中)のトークイベントに参加した。

 早大2年に在学中の南谷さんは今年5月にエベレスト登頂、その足でアラスカに移動して7月にデナリの登頂にも成功。7大陸最高峰制覇を達成したばかり。

 同席した洞窟探検家の吉田勝次さん(49)が感嘆すると「私は高所順応に適した体質のようで8000メートルでもピンピンしてました。寝る間も惜しんで食べるくらい食欲があって、その順応した状態を保ったまま次に行きたかったんですね」と連続登頂を振り返った。

 映画は仲間の遺体を探すためだけにエベレストを目指した実話を描いている。「すごく実感があります。私も登頂中、下山中にご遺体を目にしました。私と同じようなブーツを履いて同じ時計をしている。昨日、今日の生々しさがあって胸が痛かった」という。

 一方で「やはり頂上が見えたときが至福です。エベレストのときは午前5時ごろだったのですが、山の色は日光の具合で七色に変化する。マツゲからつららが下がっているのも忘れて泣きました」と登山の喜びを明かした。

 一方で、吉田さんが「山は行き先が見えるけど、先がどうなっているか分からない洞窟はその上を行く魅力があります」と洞窟探検の醍醐味(だいごみ)を語ると「行きたくなっちゃった。ぜひとも挑戦したいです」。

 今後は北極や海洋にも冒険の幅を広げる予定だった南谷さんが新たな目標に洞窟を加えることになった。