25日夜に東京ドームで開催された福山雅治(47)のライブ演出で発射されたテープが、女性スタッフ(42)の右目を直撃して眼球破裂の大けがをしたことが26日、分かった。

 警視庁によると、事故が起きたのはライブ終盤の午後9時過ぎ。テープは空気圧を利用して中に詰めた物を一気に発射させる「キャノン砲」と呼ばれる装置から発射された。キャノン砲は、ライブで使用されることが多く、終盤の盛り上げ演出としてテープを発射することが一般的。事故当日は、円形状のステージをぐるりと囲むようにキャノン砲8個が設置されていた。

 テープは「MASAHARU FUKUYAMA」などと書かれ、金色や銀色のもの。キャノン砲1体につき、固く巻かれて筒状になったテープが35個入っていたという。幅2・3センチ、伸ばすと16メートルのテープは、通常はほどけながら舞い落ちるが、筒状で硬い状態のテープが女性スタッフの顔に直撃したとみられる。事故後、救急搬送され、病院で手当てを受けている。

 女性スタッフはテープをキャノン砲に詰めたり、遠隔操作する他スタッフからの発射連絡を受けて、周囲に注意を呼び掛ける担当だった。女性スタッフは事故直前、キャノン砲のそばにいて、着けていたインカムを通じて「避けるように」と指示されたという。負傷直後、インカムを通じて「弾に当たりました」と報告したという。会場には観客4万3000人、スタッフ1200人がいた。観客やスタッフのほとんどが事故に気付くことなく、ライブも続行された。警視庁は業務上過失傷害の疑いもあるとみて、演出を担当したライブ関係者や「キャノン砲」を制作した会社の関係者に事情を聴いている。

<最近のライブ、舞台での事故>

 ▼15年8月 長渕剛「10万人オールナイト・ライヴ2015 in富士山麓」で、長渕がヘリコプターで登場した際の風圧で救護用テントが倒壊。救護施設の看護師2人が打撲の軽傷。

 ▼同3月 KinKi Kids堂本光一主演ミュージカル「Endless SHOCK」(東京・帝国劇場)昼公演上演中、大型LEDパネルが倒れ、ダンサー5人、スタッフ1人の計6人が負傷。

 ▼12年8月 市川染五郎が東京・国立劇場で舞踊公演中に、せりから約3メートル下の奈落に転落。右手首、肋骨(ろっこつ)骨折の重傷。