近年、アメリカで大物俳優のTVドラマ出演が続いている。たとえば、HBOドラマ「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」には映画俳優として知られる俳優マシュー・マコノヒー、ウディ・ハレルソン、レイチェル・マクアダムスらが出演。人気ドラマ「FARGO/ファーゴ」にはキルスティン・ダンストが出演していた。

 以前は映画俳優の方がドラマ俳優よりも格上というイメージが定着していたが、“テレビの黄金時代”とも言われる2000年代ではその区別が薄くなっている。なぜ今、大物俳優たちはTVドラマの出演に前向きなのだろうか。主に3つの理由が挙げられる。

 ■理由その1:TVドラマへの出演による時間の拘束が減った

 テレビ局のドラマは1シーズンにつき22話前後あるのが一般的。しかし、HBOなどのケーブルテレビやNetflix、Amazonなどストリーミング配信会社のオリジナル作品は1シーズン10話程度の短いドラマを制作する。これによって、俳優は一年の大半をドラマの撮影に縛られることなく出演できるのだ。

 ■理由その2:TVドラマの方がストーリー重視になっている

 映画会社がアクション映画やアニメーションに傾く中、NetflixやAmazonは収入を広告よりも配信料から得るため自由度が高く、より冒険的な内容に手を出せるようになってきた。また、映画のように2時間前後という制限のないドラマの方がキャラクターに深みを出すことができ、必要ならば軌道修正も可能なのだ。深みのある作品に出演したい俳優にとっては魅力的。

 ■理由その3:観客は映画館よりも家でコンテンツを見たい

 最後の理由は、映画館に足を運ぶ人が減っていること。2014年のハリス世論調査によると、アメリカ人の57%が映画館に行くよりも家にいたいと回答。映画ほどお金がかからず、快適な家で見ることができるドラマの方が魅力的なのだ。こうなると、俳優もドラマの出演を検討せざるを得ない。

 先日はダコタ・ファニングが15年ぶりにTVドラマにレギュラー出演することが決定。2017年のHBOドラマ「Big Little Lies(原題)」にはニコール・キッドマンやリース・ウィザースプーンが出演することも決まっている。大物俳優のTVドラマ出演は今後も続きそうだ。【ハリウッドニュース編集部】