3月7日開幕のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の「侍ジャパン公認サポートキャプテン」に就任した中居正広(44)が、今大会への期待や理想のスタメン、意気込みなどを熱く語っている。

 -侍ジャパンに期待することは

 中居 優勝あるのみですね。優勝してほしい。国際大会になれば、いつも思うのですが、やっぱり優勝してほしいです。前回4年前のWBC、一昨年の世界野球プレミア12で、1人もいなかったメジャーリーガーが今回も1人しかいない。WBCを経験している投手も1人しかいないので、そこは少し気になるところですね。ただ若い選手が多いので、逆にそこが今回のチームのいいところになるかもしれません。そういうチームだけに、唯一のメジャーリーガー、青木宣親選手の存在は大きいとは思います。ただ昨季の青木選手は結果があまり良くなかった。そういう意味で、現時点のコンディションが分からないので、これから取材させてもらいながら見ていこうかなと思います。

 -理想のスタメンは

 中居 理想と言われても分からないんですが…。山田哲人、青木宣親、坂本勇人、筒香嘉智、中田翔、鈴木誠也、松田宣浩、嶋基宏、秋山翔吾という感じでしょうか。レフトで筒香を起用すると、また変わってくると思いますが、外野は鈴木、青木、秋山だと思います。小久保監督は右打ちなので、外野陣の中で、右の大砲を平田良介にするか、鈴木にするか、というところだと思います。あとは菊池涼介をどういう風に使うのかなと思います。おそらくセカンドは山田、ショート坂本、この二遊間は固定だと思いますので、サードに菊池、松田という起用をするのかなと。そんなイメージですね。

 -前回大会、準決勝の終盤でのミスがあって3連覇を逃した

 中居 あれは走塁ミスなのか、サインミスなのか。スポーツの世界では仕方がないと思うのですが、僕も普段観戦していても「あの時のあれがなければ」とか、“たられば”になりますから。でも、ああいう経験をして学んだ分、次に何かやってくれるんじゃないかと思います。あのイチロー選手でも、WBCの期間中に不振だったこともありますし。ただ若い選手は経験がないので、不調の時期と重なっても何も怖くないと思ってやった方がいいのか、不調を自覚しながらプレーした方がいいのか、それは僕が首脳陣ではないので分からないですが…。

 -1次ラウンドについて

 中居 キューバは強敵です。オーストラリアには勝てるんじゃないか、という見方もありますけど、オーストラリアも強いです。野球は実力だけの世界ではないですから、何が起こるか分からない。今回の侍ジャパンは、中継ぎ投手を7人入れていますが、これまでで最も多い。それだけ2番手以降の投手がすごく大事ということなんです。1次ラウンドの先発投手の球数は、65球に制限されています。65球というと、うまくいっても5回までなんです。でも4回で終わる場合もありえるので、それを考えると次に投げる第2先発がすごく大事になります。当然、投手のコンディションも気になりますし、その継投が本当に全てじゃないかと思うぐらい大事です。僕自身、侍ジャパンには優勝はしてほしいと思っていますが、本当に厳しい試合が続くと思っています。

 -初戦が強敵キューバというのはラッキーかアンラッキーか

 中居 そんなの分かるわけがない(笑い)。選手も監督も誰も分からないですよ。ただ全てにおいて、前向きに捉えなければいけない、というのはあると思います。それぐらい1次ラウンドは難しい。予選だからといって流して見てもらったら困ります。本当に野球は何が起こるか分からないんです。強いチームが必ずしも勝てるスポーツではないので。それが野球の醍醐味(だいごみ)でもあり、面白いところでもあると思います。とにかく1次ラウンドは気が抜けません。

 -初戦キューバ戦の先発について

 中居 菅野智之投手じゃないかと言われていますが、最初はキューバ戦の先発が大谷翔平投手、菅野投手はオーストラリア戦という予定でした。だから、そのまま菅野投手がオーストラリア戦という可能性もあります。となると則本昂大投手の可能性もありますね。でも先発は4、5回までなので、次に投げることが考えられる藤浪晋太郎投手や千賀滉大投手、武田翔太投手などが気になります。彼らはチームでは先発投手ですから、4、5回から投げる経験がほとんどありません。となると、中継ぎ投手で短いイニングを刻んでいくのか。でも第2先発は、先発が4回で終わってしまった場合だと7回までの3回は投げてほしいというのはあると思います。そうだとしたら先発投手、先発投手でつないでいくと思いますけど。さらに第1、第2先発が崩れたときの継投はどうなるのか…。そんなさまざまな状況を想定して中継ぎを7人も選んだんじゃないかと思います。

 -慢心はないのか

 中居 監督、選手はもちろん、応援するサポーターの皆さんも1次ラウンドに照準をしっかりと合わせることが大切だと思います。テレビやスポーツ紙の報道などを見ると、いい話ばかりを目にするんです。でも僕はすごく疑り深いので、いつも「本当かよ、本当かよ」と心配しながら見ていますね(笑い)。

 -初戦を皆さんに見てもらうために

 中居 侍ジャパン公認サポートキャプテンの僕が「初戦から見逃さないでください」と言うのは当たり前ですが、とにかく本当に初戦が大事なので「見てもらわなきゃ困ります」ということ。初戦でキューバにもし敗れたら、次のオーストラリア戦では本当にすごいプレッシャーがのしかかってきます。中国には勝てると思いますが、キューバ、オーストラリアに負けたら大変です。ちょっとドキドキしますね。

 -野球をあまり知らない人にオススメの見方は

 中居 僕も偉そうなことを言っていますが、基本は素人ですから。野球に詳しくない人は、好きな選手を探して欲しいと思います。好きな選手がいれば、野球全体も見るようになると思いますし。最近の野球選手はカッコいい人が多いので、イケメンとか、お気に入りの選手を探してもらいながら見てもらえるといいと思います。