TBSは21日、「世界陸上ロンドン」(8月4~13日)のメインキャスターに、織田裕二(49)と中井美穂(52)を起用することを発表した。2人は1997年のアテネ大会から11大会連続、20年目の担当。10日間で93時間の放送は過去最長となる。

 大会の最大の注目は、五輪と世界陸上で19個の金メダルを獲得してきたウサイン・ボルト(ジャマイカ)のラストラン。活躍を見続けてきた織田は「ボルトは、人を楽しませるのがすごく上手で、セルフプロデュース能力もすごく高いから、ロンドンでのラストランでどんなストーリーを見せてくれるのでしょうか」と“絶対王者”の最後の輝きに期待する。

 陸上と番組にかける織田の情熱は20年目になっても衰えることはない。97年の大会はADとして番組にかかわった片山譲治プロデューサーは、大会前に織田、中井をはじめとしたスタッフと1日10時間の勉強会を何日も行うことを明かした。「織田さんが納得するまで数日間行っていますが、今回も何日間行うかは織田さんにしか分かりません」と笑顔で話した。しかも今年は史上最長の93時間の放送がある。準備から最高のテンションになりそうだ。

 織田は「8月だから夏休みをとってもらって、毎日朝までお付き合いください。スポーツはドキュメントなので、本当に何が起こるか分からないじゃないですか。世界最高のドキュメントをライブで楽しみましょう」とメッセージを送った。

◆織田裕二コメント全文

 この20年の間、思い入れの強かった選手の引退には寂しい思いをしてきましたが、次々と現れる新星たちを一生懸命追っかけてきたので、感慨にふけるようなヒマはなかったですね。ただ今回に限って言えば、ボルトの引退というのはとても大きなことです。ボルトは人を楽しませるのが上手で、セルフプロデュース能力もすごく高いから、ロンドンでのラストランでどんなストーリーを見せてくれるのでしょうか。ボルトにとってはこれで「終わり」なんですけど、ライバルの若い選手たちにとってはこれが「始まり」だと思います。その終わりと始まりが「つながる瞬間」に何を見せてくれるのか、今からとても楽しみです。

 楽しみと言えば、ロンドン大会ということで、久しぶりのヨーロッパ開催にもワクワクしています。アジアとはひと味違うヨーロッパの陸上人気。とにかく「熱」がすごいです。スタジアムのお客さんが選手と一体となって競技を作っていくので、拍手の大きさなどで陸上の見方を教わる気がします。100メートルみたいな注目競技だけではないところでもすごい歓声があがるし。「ああ、こういう陸上の楽しみ方もあるのだな」って、気付かされます。

 今回の放送は10日間で93時間だっていう話を聞きました(笑い)。前回が64時間だったので…一気に1.5倍も伸びています(笑い)。8月だから夏休みをとってもらって、毎日朝までお付き合いください。スポーツはドキュメントなので、本当に何が起こるか分からないじゃないですか。世界最高のドキュメントをライブで楽しみましょう。

◆中井美穂コメント全文

 私のアナウンサーデビューが、織田さんの芸能界デビューと同じ1987年。2人ともこのお仕事を始めてからちょうど30年です。その30年のうち20年も同じコンビで「世界陸上」を担当させてもらっていて、織田さんには他の方にはない親近感を勝手に感じています(笑い)。

 ラストランということでもちろんボルトに注目ですが、新しいスターたちも次から次へと現れるので、それも楽しみにしています。世界陸上は決勝だけでなく、予選、準決勝、決勝と丁寧に放送していく種目が多いので、自分の気になる選手が勝ち進んでいくのをじっくり見られるのはうれしいですよね。

 今回も織田さんと現地からお伝えしますので、ロンドンの気候や風、お客さんの熱狂など、テレビカメラには映らない部分も合わせて、より分かりやすくお伝えしていきます。選手のウオームアップの時の表情や細かい情報などもできるだけ集めたいと思います。

 陸上は人間の「本能」に近い競技です。速く走りたい、遠くに飛ばしたい、高く跳びたいっていう、「本能」の部分を、自分の肉体と相談しながら、どうやって限界まで引き上げていくかという醍醐味(だいごみ)。その争いの中にこれまでのいろいろな歴史があるからすごいし面白い。とにかくスポーツはライブで見るのがいちばん楽しいですよね。血沸き肉躍る感じになります(笑い)。10日間93時間、できる限りお付き合いください。