歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が殴られて重傷を負った事件で、傷害容疑で逮捕された伊藤リオン容疑者(26)が警視庁の調べに「頭にきたのでやった。殴ったのは自分1人だけだ」と供述していることが11日、捜査関係者への取材で分かった。

 具体的な動機については「後で整理して話したい」としており、警視庁は暴行の理由や経緯についてさらに詳しい事情を聴く方針。

 捜査関係者によると、伊藤容疑者は「自分はあまり酔っていなかった。事件当日に着ていた服は捨てた」とも供述。海老蔵さんの返り血が付いたために、証拠隠滅したとみられている。10日の逮捕時には、現金や着替えを所持していたが、携帯電話は持っていなかったという。

 海老蔵は7日の記者会見で「何人かに殴られたと思う」と話しており、警視庁は、伊藤容疑者と一緒にいた仲間からも聴取、関与の有無を調べる。

 海老蔵は、11月25日未明に東京・西麻布の雑居ビル11階で暴行を受けた際、外階段から逃走しようとしたという。ビル近くの防犯ビデオには、同日朝、逃げる海老蔵と、追い掛ける伊藤容疑者とみられる人物らの姿が写っていた。

 海老蔵は、ビル内の飲食店で伊藤容疑者や元暴走族リーダーの男ら数人と知り合い、トラブルになっていた。

 [2010年12月11日11時5分]ソーシャルブックマーク