嵐の松本潤(27)が、蜷川幸雄演出、寺山修司原作の舞台「あゝ、荒野」(10月29日~11月6日=さいたま市の彩の国さいたま芸術劇場、11月13日~12月2日=東京・青山劇場)に主演することが20日、分かった。

 「あゝ-」は66年に発表された長編小説を初めて戯曲化した。心に闇を抱える正反対のタイプの2人(新宿新次とバリカン)が、ボクシングを通して友情を結ぶ青春の物語。蜷川作品は06年「白夜の女騎士(ワルキューレ)」以来2度目の松本が強靱(きょうじん)な肉体を持つ新次、松本と初共演の小出恵介(27)がバリカンを演じる。

 蜷川氏は「新宿新次は松本さんにとって超えなければいけないハードルとして最もふさわしいと思った。嵐は国民的アイドルとなっているけれど、そこからワンステップ上に上がってほしい。小出さんは松本さんとコンビを組んで、今までのイメージとはまったく違う役に取り組むことで今の場所よりさらに上を目指してほしい」と期待する。

 松本と小出はラスト、後楽園ホールのリングで壮絶な死闘を繰り広げる。松本は「寺山作品に挑戦するチャンスをいただき、とてもうれしく、ワクワクしています。今から、なんだかすごいことになりそうな気がしています」。小出も「念願の寺山修司。美しく、あまりにも存在感のある言葉たちの戦いがすでに始まっています」と意気込んでいる。