宝塚歌劇団雪組のトップスター壮一帆(そう・かずほ)と、トップ娘役の愛加(まなか)あゆが27日、近松門左衛門作の「心中・恋の大和路」成功祈願のため、近松の墓がある兵庫県宝塚市の広済寺を訪ねた。

 2人は、東京宝塚劇場で8月31日に千秋楽を迎える「一夢庵風流記

 前田慶次」「My

 Dream

 TAKARAZUKA」で“添い遂げ退団”することを発表しており、この日も2人そろって墓前に手を合わせた。

 文楽、歌舞伎でも「冥土の飛脚」として上演されている名作の宝塚版で、罪に手を染めた飛脚問屋の忠兵衛が、遊女梅川と添い続けるために心中の道を選ぶ物語。壮と愛加はともに12年12月にトップ就任。コンビを組んで以来、恋の成就しない役柄ばかりで、壮は「やっと今回、添い遂げられる。近松さんには『何らかの形でお力添えをいただけますか』とお願いしました」。一方の愛加が「(近松に)梅川のこと(設定)を教えてくださいと言いました」と言うと、すかさず壮が「自分で考えろ!」とつっこみ。仲の良い2人らしい掛け合いで、墓参の感想を語った。

 心中を描くだけに、涙の悲恋もの。壮は「ハンカチ3枚?

 いや、バスタオルも用意して見に来てください」と笑わせていた。

 公演は3月14~24日に大阪市北区のシアター・ドラマシティ、4月15~21日に東京・日本青年館で行われる。