理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)の代理人、三木秀夫弁護士は28日、大阪市内で、前日27日放送のSTAP細胞論文問題を特集した「NHKスペシャル」(日曜午後9時)について「集団リンチ」「見るに堪えない」と厳しく批判した。同氏への批判的内容が色濃かった内容について疑問を呈した。「あまりに偏った報道、行き過ぎた取材に関しては、今後なんらかの対応を考える」と刑事告訴なども視野に検討する可能性も示した。

 同番組では、23日夜に神戸市内で、帰宅中の小保方氏へ突撃取材を行い、同氏が首と右腕に全治2週間のけがを負った。翌24日に記者の所属するNHK大阪放送局の報道部長らが、三木氏の事務所を訪れ謝罪。理研もNHKに対し抗議していた。

 三木氏は26日から27日午前にかけて「NHKスペシャル」番組責任者とメールでやりとりしたという。その中で、NHK側が小保方氏の負傷について放送しないことについての見解と、番組の取材過程で事件が発生したことについての説明が放送されるか、の2点を質問したが、28日朝時点で回答がないとも明かした。

 小保方氏は負傷後、右腕のけがについて「実験に支障が出る」とも話していたという。三木氏によると、現在は「私は影響が出るのではと心配しているが、本人は口に出してそのようなことは言っていません」。ただ、精神的ダメージから、今も恐怖感を持っているようだと危惧した。

 今後の対応については、刑事告訴なども選択肢の1つではあるが「時間が取られてしまい、検証実験に支障がでるのは明白。慎重に考えたい」と述べるに止めた。また「彼女自身は実験に参加したいので、尊重して専念させたい」と話した。

 ビデオリサーチの調査によると、平均視聴率は関東地区で10・6%だった。