覚せい剤取締法違反(所持、使用)などの罪に問われた歌手ASKA(本名・宮崎重明)被告(56)の判決公判で、東京地裁は12日、懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。

 植村幹男裁判長は、判決を言い渡したあと、「今回の事件を通して、感じたことを述べさせていただきます」とASKA被告に声を掛けた。

 植村裁判官は「これまであなたのことを信じて支えてきた家族や関係者を、犯罪という形で裏切った。これまでのあなたは、社会のルールや周囲の人たちに顧みる姿勢がなく、自分本位で傲慢(ごうまん)な考え方が見受けられます」と指摘。さらに「薬物依存から脱却するのはもちろんですが、社会の中で生きていく中で大切なものはなにか。一から考えてほしい。それが裏切った人たちへの償いの第1歩になると思います」と諭した。

 被告人席で立ってそれを聞いたASKA被告は、最後に小さく「はい」と答えた。閉廷後は、検察官3人に一礼。傍聴席にも一礼し、傍聴人が退席するのを横目で見ていた。