女優八千草薫(82)と俳優武田鉄矢(64)が11日、大阪市内で、共演した映画「くじけないで」(11月16日公開)の取材会に出席した。映画は90歳過ぎから詩作を始め、98歳で刊行された詩集がベストセラーになり、今年1月に101歳で亡くなった柴田トヨさんの半生を描いた。58年ぶり映画主演で、トヨさんを演じた八千草は「トヨさんの詩には苦しいことを温かく、柔らかく変えてくれる力がある。私はのろいので、ゆっくりした映画が好き。出なきゃと思った」と語った。

 トヨさんの息子役で出演した武田は、実生活でも、還暦を過ぎた今、4人組アイドルグループ、赤マルダッシュ☆のプロデュースに挑戦する予定で「新しいことを始めるのに年は関係ないと本当に思います」。最近は、フライフィッシングを始めたといい、奥多摩などへ川釣りに複数回行ったが「1匹も釣れない。釣れない(で挑戦している)自分がおもしろい」とも語った。

 一方で、武田の周囲では、アイドルプロデュースに関連して、新たなトラブルも起こっている。武田は、今月8日に放送されたフジテレビ系「芸能人アカペラ選手権

 ハモネプ★スターリーグ4」に出演。番組で、「モー娘。最強選抜」の1人として参加した嗣永桃子(21)に「リードボーカルは辞めたほうがいい」などと発言したことが、ファンの怒りを買い、インターネット掲示板などを騒然とさせる結果になっている。

 武田は騒動を知ってか知らずか「インターネットは分からないですね。興味もないですし」とコメント。ただ、ネット上では過激な表現が使われることも多いことから「(インターネット上では)言葉の使い方が呪いの言葉に変わりましたね」。ネット社会に苦言をていしつつも、トヨさんの優しい詩の世界観あふれる今作を引き合いに「トヨさんの言葉をね(考えて)。とても上手に、人を傷つけないようになるには、とても長い年月をかけないといけないのかな。トヨさんの詩を、この映画を見てほしい」とも呼びかけた。