EXILEの主演舞台「CROWN

 眠らない、夜の果てに…」(東京・青山劇場、5月16日開幕)のヒロインに、30代の新人女優が抜てきされることが16日、分かった。一昨年にモデルから女優に転身したばかりの吉瀬美智子(33)で、舞台はもちろん初挑戦だという。話題公演のヒロインの座を射止めたことで、今後の飛躍が期待される。

 舞台「CROWN」は、ダンスボーカルユニットEXILEが昨年旗揚げした劇団の第2回公演。旗揚げ公演「太陽に灼かれて」は高い評価を受け、新作の上演に期待が寄せられていた。ヒロイン役の出演依頼を受けた吉瀬も「想像もしていなかったので、全く実感がわきませんでした」と驚きを隠せなかった。

 10代からモデルを続け、「今後の人生を考えた時、別のこともやってみたくなった」と一昨年に女優転身を決意。昨年の人気ドラマ「ライアーゲーム」で注目された時は32歳。その後「働きマン」「のだめカンタービレ

 新春スペシャル」など話題作に出演。女優の低年齢化が進む芸能界で、異色のポジションにいる。

 舞台出演はもちろん初めて。依頼を受けてから、積極的に観劇するようになった。昨年の大沢たかお(40)主演舞台「ファントム」の会場は今回と同じ青山劇場。上演終了後、客席側を向いてステージに立った。「自分もここに立つんだという怖さも感じました」。それでも「1歩踏み込んでみないと、舞台とは一体どんなものか分からないままで終わる。いただいたチャンスを生かして前に進みたいと思いました」。積極的な姿勢は崩さなかった。

 舞台「CROWN」はEXILEからMATSU、USAが出演。テーマは「涙とバイオレンス」。殺人事件を発端に、MATSU演じる主人公と吉瀬演じるヒロインのサスペンスタッチの逃走劇が展開する。本格的なけいこは4月中旬から開始。今は「体力勝負の部分もありますから」とトレーニングに毎日取り組み体調を整えている。「どんなものが得られるか想像できませんが、何かを学ぶことができればいいですね」。今後の女優生活への大きなきっかけになることを確信しているようだ。【松田秀彦】