落語界の大名跡「三遊亭円生」襲名を巡り、6代目円生の直弟子三遊亭円窓(69)が新たに名乗りを上げた。同名跡の襲名には円生の一番弟子の5代目三遊亭円楽(09年死去)が自らの一番弟子三遊亭鳳楽(63)を7代目円生に指名する一方、円生の直弟子三遊亭円丈(65)が反対を表明していた。

 先代円楽の弟弟子円窓は、5月17日の落語協会理事会で「遺族から襲名を要請された」と襲名の意欲を明かした。関係者によると、4月6日に6代目円生の長男耀一郎氏と円生直門の円窓、円丈らが話し合い、そこで耀一郎氏が円窓に襲名許可を与えたという。

 耀一郎氏署名の「7代目三遊亭円生の襲名確認書」なる文書が円丈、鳳楽にも届いたが、その日付は「5月7日」と話し合いから1カ月後で、しかも届いたのは先週末という。さらに円丈は「私は賛成していない。もっとフェアな形で選ばないといけない」と批判した。円生の長女や孫は円窓襲名に反対の意向など遺族の間でも異論がある。

 円窓はもとは春風亭柳枝門下で、途中から円生一門に移った経緯がある。円窓参入に円丈は「私は棄権します」と撤退の意向。鳳楽は「恥ずかしいね。泥沼はいけない。1度、直弟子から孫弟子まで円生一門と遺族が集まって話し合わないと前に進まない」と話した。落語協会も静観の構えで、襲名問題は混沌(こんとん)としてきた。

 [2010年5月27日8時25分

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