黒柳徹子(76)王貞治(70)ら著名人、有識者43人(7月23日現在)が開発途上国支援に名乗りを上げた。国内最大級の市民参加型プロジェクト「『なんとかしなきゃ !

 プロジェクト』見過ごせない-55億人」が27日、東京・渋谷の国連大学で旗揚げ。記者会見には川嶋あい(24)紺野美沙子(49)高橋尚子さん(38)知花くらら(28)らが出席し自らの思いを披露した。このほか多数の著名人から賛同のメッセージが寄せられた。今後はだれもが参加できるさまざまな国際協力活動を展開していく。

 世界の人口の約8割に当たる約55億人が発展途上国に暮らし、そのうちの4人に1人は1日1・25ドル以下の生活を強いられ、10億人以上が飢えに苦しんでいる。そんな多くの問題を抱える開発途上国の実情を1人でも多くの人に知ってもらい、その解決を目指す国際協力の必要性を社会全体で共有していきたい。そんな思いを共有する人、団体などで進めるのがこのプロジェクトだ。

 この趣旨に賛同し、参加を表明している団体は45ある。さらに著名人・有識者メンバー43人(いずれも7月23日現在)が協力を申し出ている。発表会には川嶋あい、紺野美沙子、高橋尚子、知花くらら、塩谷瞬、北沢豪、福留功男、渡辺真理が出席。各人はこれまでも個々に活動しているが、これだけの数がまとまるのは初めて。

 渡辺の司会でトークセッションが行われた。参加の動機や実際に目にした体験談、今後の活動予定などについて、意見を述べた。川嶋は途上国に学校を建てる活動に取り組み「日本では当たり前と思われるようなことが、途上国ではたった1つの大事なものであったりする。日本は平和ボケしています」と厳しかった。

 98年から国連開発計画の親善大使を務める紺野は「九つの国・地域を訪問していますが、貧困の現実を具体的に知ってほしい。そして1人でも多くの人に伝えていきたい」。高橋は現在スマイルアフリカプロジェクトの活動で、日本で履き古した靴をケニアに送っている。「現地でははだしで歩くため傷口からバイ菌が入って命を落としたり、足を切断することも。小さなことでもいいので活動しましょう」と話した。

 ほかのメンバーも1人の力はわずかでも、みんな力を合わせて活動していこうと訴えた。実施期間は7月28日から2013年3月までの予定。

 

 ◆「なんとかしなきゃ !

 プロジェクト」

 国際協力NGOセンター(JANIC)、国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)の3者が実行委員会を結成して立ち上げた。開発途上国の実情を伝え、ともに国際協力のあり方を考える機会を提供することを通じて、市民参加型の国際協力活動を推進するのが目的。ホームページはhttp://nantokashinakya.jp/

 [2010年7月28日9時59分

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