3月11日に起こった東日本大震災の影響で、ラジオなどで流される音楽は、被災地を応援する内容のものが圧倒的に多くなっている。心理的なストレスを抱える子どもも多く、「アンパンマンマーチ」などのアニメソング、前向きに生きることが歌詞に込められた「上を向いて歩こう」「三百六十五歩のマーチ」などにリクエストが多く集まっている。

 震災直後は、子どもたちのために「アンパンマンマーチ」などアニメソングが数多く流された。今は「上を向いて歩こう」(坂本九)「三百六十五歩のマーチ」(水前寺清子)などの旧譜から、「どんなときも」(槙原敬之)「YELL」(いきものがかり)「I

 believe」(絢香)「負けないで」(ZARD)「福笑い」(高橋優)「希望の轍」(サザンオールスターズ)「I

 Wish

 For

 You」(EXILE)などのリクエストや配信が伸びている。

 洋楽では、日本語歌詞もあるQUEENの「手を取り合って」が再び注目されている。同曲は阪神・淡路大震災でも被災者を和ます歌として話題になった。発売元のユニバーサルでは「こちらの作為なく配信なども伸びています」という。震災から間もなく1カ月を迎えるが、復興へ向けて、被災地を勇気づけ、前向きな気持ちになれる曲に関心が寄せられている。

 一方で、ラジオを中心に被災者の心情を配慮し、海にまつわる歌が名曲でも歌詞やタイトルによってオンエアが控えられている。<歌詞>海が割れるのよ…の「珍島物語」(天童よしみ)をはじめ、「北の漁場」(北島三郎)「兄弟船」(鳥羽一郎)「みちのくひとり旅」(山本譲二)「港町ブルース」(森進一)など。タイトルでは「TSUNAMI」(サザンオールスターズ)「誰もいない海」(トワ・エ・モア)など。ラジオ局関係者は「ラジオが情報の生命線となっている被災地も多い。そうした現状で音楽の力を再認識しています。だからこそ選曲に配慮しています」と話している。