AKB48をデビュー前から誰よりも長く、詳しく取材しているアイドル情報サイト「スクランブルエッグ」の岡田隆志編集長(51)に、AKB48の歴史と魅力、今後の展望について解説してもらった。05年12月8日の、観客わずか7人のグループ誕生公演を知る数少ない人物だ。
岡田編集長(以降岡田)
世間的には、AKBはゼロからのスタートと思われていますが、当時から秋葉原の地下アイドル界の中では、最初から専用劇場まで持ち、豊富な資金力を持つ黒船的存在でした。楽曲、衣装、パフォーマンスがほかのアイドルより洗練されていた上に、毎日会える活動姿勢で、着実にファンを獲得。地下アイドル的な娘たちが、一流プロ的な活動をしているギャップが新鮮でした。インディーズのデビュー曲からオリコン10位と上々の船出でした。
しかし、08年に所属レコード会社の契約を打ち切られるなど停滞期もあった。
岡田
初期の楽曲では、大人っぽく難解な歌詞に挑戦し続け、新規ファンが集まりにくくなりました。AKBのアイデンティティーの1つ、チーム公演を変形させるなど試行錯誤もします。レコード会社がなくなったときに配信で新曲を出したが不発。やはり、CDを制作して、たくさん売るという基本に立ち返ります。楽曲もデビュー時の王道アイドルに戻りました。
ここで、AKB最大のエポックメーキングが起こったという。キーワードはSKE48と松井珠理奈だ。
岡田
新レコード会社からの1枚目シングルのセンターに、まだ発足したばかりのSKEの珠理奈を大抜てき。慢性になりかけた3年目の劇薬投入に、AKBメンバーは焦り、再び向上心に火がついたわけです。ここからは、総選挙などの秋元康氏の仕掛けも相乗効果となり、今に至りました。
今後も勢いは止まらないという。
岡田
秋元氏は、AKBはマグロ、止まったら死んじゃうと言います。アイドル界の一イベントの総選挙も、いつしか一般マスコミが集まり、国民的関心事にまでなりました。有名な総選挙もじゃんけん選抜大会も、ファンのニーズに応えるために始めたこと。遠い存在のはずのミリオンセラーになっても、自分たちの意見が反映される参加型アイドルなら、ファンや大衆からの注目度はなかなか落ちません。今後も福岡にも姉妹グループができて、AKB内も新チームができました。全国どこでも同時多発で活動させる形にして、皆さんの日常にさらに浸透させていくのだと思います。
◆岡田隆志(おかだ・たかし)1960年(昭35)6月1日生まれ。94年にミニコミのアイドル誌「スクランブルエッグ」を創刊。16歳時の浜崎あゆみや、アマチュア時代の椎名林檎らを特集するなど、先見性にたけたアイドル評論家として知られている。06年に同名の会社を設立。SKE48、NMB48の取材も豊富。172センチ。血液型O。




