カンボジア代表としてロンドン五輪マラソン出場を目指すタレント猫ひろし(34)に新たな条件が課されたことが11日、分かった。選考レースとなる16日の東南アジア競技大会(インドネシア)でライバルとなるはずだったヘム・ブンティン(25)ら有力3選手全員の欠場が決定。同大会にカンボジアから出場する選手は猫1人だけとなり、猫は同国のオリンピック委員会からブンティンが8月に記録した2時間31分前後のタイムを出すことが求められた。猫の自己ベストは2時間37分49秒で、大幅短縮が条件となった。

 猫にとって、16日に行われるインドネシア・パレンバンで開催される東南アジア競技大会が正念場の舞台となる。当初、カンボジアからは猫、ブンティンら4人が競技大会に参加する予定だった。しかし、10日までに同国最強のブンティンが大会選手団から離脱して欠場することが判明。この日、カンボジアのオリンピック委員会から猫の所属事務所「ワハハ本舗」に「当初マラソンにエントリーしていた2人もこちらの事情で種目を800メートルに変更する。カンボジアから出場するマラソン選手は猫1人になった」と連絡が入った。

 これで、五輪出場の条件だった「大会でカンボジア人1位」は自動的にクリアするが、同委員会は新たな条件を出してきた。参加基準タイムの設定だ。ブンティンが今年8月にオーストラリアのマラソン大会でマークした2時間31分を破るか、それに近いタイムを求められたという。猫の自己ベストは今年2月の東京マラソンで記録した2時間37分49秒。大会が開催されるパレンバンは11月でも30度を超す高温で、猫にとって厳しい条件となる。

 猫はすでにインドネシア入りし、最終調整に余念がない。同委員会は、五輪選考について今回、猫が記録したタイムを基にそれぞれの気象条件などを加味して協議するという。仮にタイムが芳しくなかった場合には、別の大会での好記録も参考にするという。その場合、猫は来年2月26日の東京マラソンに出場し、2時間31分切りに挑戦することを検討しているという。