NEWS加藤成亮(24)が小説家デビューすることが22日、所属のジャニーズ事務所から発表された。小説の題名は「ピンクとグレー」(角川書店)。来年1月28日に発売する。同事務所所属のタレントとして初めて小説を書き上げた加藤は、この日から、加藤シゲアキに改名したことも明かした。

 加藤が初めて手掛けた「ピンクとグレー」は、全272ページに及ぶ長編小説だ。芸能界を舞台に、成功と挫折という2つの道を歩む親友同士のはかなく切ない人生を描いている。書き始めたのは今年2月ごろで、自分で決めた締め切り日、3月31日までの約2カ月で一気に初稿を書き上げたという。

 加藤

 NEWSのリリースもグループ活動もままならない、混沌(こんとん)とした時期でした。僕は役者の仕事もあるけど、何よりも書きたかった。自分の個性になったらいいし、メンバーのためになるかとも思いました。

 文章を書くことは好きで「25歳までに小説を書きたい」という夢はあった。そして、この不安な時期をチャンスに変えた。完成後、ジャニーズ事務所関係者が原稿を角川書店に持ち込んだところ、トントン拍子で出版が決定。芸能界を舞台にした内容について、加藤は「フィクション。モデルはいない」と言いながらも「自分が投影されている部分はあるとは思う。書いていて救われました」と明かした。

 小説のごとく、NEWSで活動していた6人は別々の道を歩み始めた。10月に山下智久と錦戸亮がグループ脱退を発表。加藤によると、6月の時点で6人全員が集まり、2人が抜けることについて数時間話し合ったという。「それはショックでしたよ。解散の方がいいかもしれないという話もありましたが、価値観の違いで、ファンを裏切ることはしたくなかった。結果、NEWSを残せたことが本当にうれしいです」。山下や錦戸については「一緒に寄り添ってきた家族みたいなもの。頑張ってほしい」とエールを送った。

 新生NEWSの4人は、今後に向けて話し合いを続けているという。「年明けをめどに何か発表できれば。ちょっとずつ進めています」。小説家としての夢も「いつかは直木賞」と大きく掲げたが、「NEWSの活動がメーンで忙しくて書けないのが理想。2、3年に1回本を出せれば」。小説家の活動もNEWSのため、と自分の中で決めている。【近藤由美子】

 ◆ピンクとグレー

 大阪から横浜へ引っ越しした小学生の河田大貴は同じマンションに住む鈴木真吾と出会い、中学、高校、大学と密接した青春時代を送る。高校生の時、2人はバイト代わりに芸能活動をスタート。真吾がスターダムを駆け上がっていく一方、エキストラから抜け出せない大貴は取り残されていく。2人は決裂したが、再び巡り合った時、運命の歯車が回り出す。角川書店担当者は加藤のデビュー作について「新人賞募集作品の中でもレベルが高い。リアリティーをもっており、一気に約270ページを読ませる力がある。文学ファンにも受け入れられる」と高く評価している。