【ワシントン27日(日本時間28日)=近藤由美子】AKB48が「全米桜祭り」記念公演をリンカーン劇場で行い、大盛況で終えた。2公演の動員数2000人の7~8割は米国ファンが占め、AKB48人気が米国でも確実に浸透中。10年にロス公演を行った際、客席が半分も埋まらなかった苦い思い出があったが、雪辱を果たし、メンバーも少なからずグループの成長を感じている。

 日米友好の証しとして、東京がワシントンに桜の苗木を贈ってから100周年。日本ポップカルチャーの代表としてAKB48に白羽の矢が立ち、ワシントンでの記念公演が実現した。

 出演者は高橋みなみ(20)倉持明日香(22)宮沢佐江(21)ら16人。高橋は「Hello,

 everybody!

 We

 are

 AKB48!」と元気いっぱいあいさつ。公演は「everyday、カチューシャ」などのヒット曲を中心に構成。ラストは「桜の木になろう」「桜の花びらたち」といった桜ソングを披露した。暖冬でポトマック川沿いの桜はすでに葉桜だが、満開の桜に負けない思いやパワーを込めた。

 7~8割が地元米国ファン。ほとんどのファンが一緒に歌い、踊った。高橋は「楽しかった!」と声を弾ませた。「今回は空港にもファンが来てくれた。ちょっとは成長できたのかな、と思ってます」。

 前回の米国公演は苦い思い出としてメンバーの記憶に残っている。10年ロス公演当時、日本ではすでに人気を得ていたが、客席は半分も埋まらなかった。前田敦子や大島優子も参加しての大苦戦だった。

 一方今回は前回と会場規模が異なるものの、会場は2公演とも満席。圧倒的な人気を持つ前田、大島が不参加でも結果を残した。高橋は確かな手応えを感じている。「人数がいるからできることがあると思います。みんな入ってくる年数、一緒に過ごした期間が違うけど、最初からいた子が次世代に伝えていきたい。メンバー同士、絆を深めて、お互い信頼し合っていかないと」。

 ラストソング「桜の花びらたち」は06年インディーズデビュー曲。「AKBの始まりの歌を時間を経て米国で歌えることがうれしいし、不思議な気がします。海外にも待ってくれるファンの方がいる。どんどん会いにいきたい」。絶対的エース、前田は卒業を発表し、今後はもう頼ることはできない。結果を残すことで、自信と絆を深める。海外進出の確かな手応えをつかみ、新たな1歩を踏み出した。