歌舞伎俳優坂東玉三郎(61)が東京・赤坂ACTシアター特別公演「ふるあめりかに袖はぬらさじ」(9月28日~10月21日)で女優檀れい(40)と初共演することが16日、分かった。

 「ふるあめりか-」は幕末の横浜の遊郭を舞台に、自ら命を絶った遊女亀遊が「攘夷女郎」に祭り上げられるのに一役買った芸者お園を主人公にした有吉佐和子さんの代表作。72年に杉村春子さん主演で初演され、88年から玉三郎が主演し、再演を重ねた。亀遊役は宮沢りえ、寺島しのぶ、07年の歌舞伎版で中村七之助が起用され、今回は宝塚歌劇団出身の檀が出演する。檀は宝塚退団後、舞台「細雪」などに出演したが、玉三郎とは初共演。スチール撮影で初めて顔合わせした玉三郎は「舞台から出てきて、キャリアを積んでいる方なのでいいんじゃないかしら。新しい方が加わることは、私も楽しみです」。

 玉三郎は40年前の初演を見て、圧倒されたという。「本当に近代の名作だと思います。喜劇か悲劇か分からないところで、あれだけ楽しませながら、人間の深層心理を深く描いている。初演の評判は良くなかったけれど、すごい作品と思った私は杉村先生に『年を取ったらぜひやりたい』と言ったんです」。

 08年にシネマ歌舞伎としても上映され、今回が5年ぶり10回目の公演。玉三郎以外に水谷八重子、藤山直美も演じるが、玉三郎の公演回数は群を抜き、演じるだけでなく、照明や衣装にいたるまで監修する。「2、3回で終わりにしたいと思っていたので、こんなに長くやることになるとは思わなかった。最初のころは30代で、お園のキャラクターに合わせて演じましたが、今は合わせる必要もなくなりました。これからも大事にしたい作品です」とほれ込んでいる。【林尚之】