5人組アイドルグループ、ももいろクローバーZが今年のNHK紅白歌合戦に初出場することが23日、分かった。今年8月、埼玉・西武ドームで3万人ライブを成功させる活躍などが認められ、この日までに出場が内定した。AKB48グループを筆頭とするアイドル戦国時代に、独創的な歌や激しいダンスなどの斬新なパフォーマンスで人気を集めた5人が、2008年(平20)のグループ結成以来の目標を達成する。

 ももクロが悲願の紅白出場を果たす。今月、NHKと所属レコード会社側が協議を重ねた。合意に至った最大の要因は知名度アップだ。かねてファンの間ではライブパフォーマンスが評価され、コンサート会場は大盛況だったが、ファン以外には知名度は低かった。しかし、今年に入りテレビにも数多く出演。NHK・Eテレ「青山ワンセグ開発」ではメンバー全員でMCを任された。

 民放でも今年4月、百田夏菜子(18)が日本テレビ系「メレンゲの気持ち」のMCに抜てきされ、グループとしても現在放送中の同局系ドラマ「悪夢ちゃん」では主題歌も担当。知名度をグンと上げた。

 また、ライブでもAKB48グループに負けじと規模を拡大した。4月には初の2日公演を横浜アリーナで行い計2万5000人を動員。さらに8月5日には西武ドームで約3万7000人を動員する大規模ライブを成功させた。今月5日には女性限定で東京・日本武道館に約1万人を集めた。

 ももクロが紅白をつかむまでの道のりは、決して平たんではなかった。昨年7月、初アルバム発売の際には炎天下、丸1日、汗だくのまま「選挙カー」に乗って都内を“遊説”。同8月開催のライブに集まったファンは約6000人だった。

 そんな中でも、スタイルを曲げなかった。アイドルなのに曲の振り付けには、がに股ダンスがふんだんに使われる。ライブなのに激しく踊りすぎて、歌唱中に息が切れる。だが、その体当たりの姿勢が徐々にファンを引きつけた。「ももクロファン」を公言する芸能人も多い。その迫力のステージが、大みそかにNHKホールで披露される。視聴者にもインパクトを与える「目玉」の1つになりそうだ。

 ◆ももいろクローバーZ

 08年春に結成。09年8月「ももいろパンチ」でデビュー。それぞれカラーがあり、現メンバーは、リーダーの百田夏菜子(レッド)玉井詩織(17=イエロー)佐々木彩夏(16=ピンク)有安杏果(17=グリーン)高城れに(19=パープル)。ピュアな女の子が幸せを運びたいという理由から「ももいろクローバー」と命名された。11年4月、1人が脱退し、グループ名に「Z」が付いた。オリコンランキングは、3作品が記録した3位が最高。