第54回日本レコード大賞が30日、東京・渋谷区の新国立劇場で発表され、最優秀新人賞は、現役女子高生シンガー・ソングライターの家入レオ(18)が受賞した。

 名前を呼ばれると、強い目力にさらに力を込め、前を見据えた。涙はなかった。「本当に信じられない気持ち。この瞬間までいただけると思ってなかった。すごくうれしいです」。

 本番直前に、父親から激励された。昨年3月、猛反対する父親を振り切って、歌手になるため福岡から上京した。「すごく反対されて勘当されました…」。娘を思う親心だった。家入はそんな父親の思いを理解しながらも、音楽活動にまい進した。ありのままの思いを歌で伝えた。そして、届いた父親からのエール。「メールでひと言、頑張れと…」。そう話した瞬間だけ、目を潤ませた。

 原点は13歳のときに聞いた尾崎豊さんの「15の夜」だ。心の叫び、葛藤がストレートに表現されていた。衝撃を受けた。迷わず、同じシンガー・ソングライターの道を進んだ。15歳で作ったデビュー曲「サブリナ」、この日披露した「Shine」は、尾崎さんの楽曲と同じように、同世代の心に刺さった。「これからも真っすぐ音楽を届けていきたい」。尾崎さんの遺志を受け継ぐように、これからも歌い続ける。【山田準】

 ◆家入(いえいり)レオ

 1994年(平6)12月13日、福岡県生まれ。13歳でギターを手に音楽塾ヴォイス福岡校に入学。11年春に単身上京。昨年末、代々木第1体育館で1万人を前にライブデビュー。今年2月、シングル「サブリナ」でメジャーデビューし、オリコン初登場9位。2枚目シングル「Shine」は同7位。ファーストアルバムは同週間チャート初登場から2週連続2位。