俳優渡哲也(71)が、女優米倉涼子(37)主演の日本テレビ系連続ドラマ「35歳の高校生」(4月13日スタート、土曜午後9時)にレギュラー出演することが27日、分かった。2人は08年ドラマ「氷の華」で初共演したが、共演場面が少なく「また一緒にやりたい」と互いに共演を熱望していた。米倉は6年越しの夢実現に「やっとです」と感激の様子。渡も「(2人の)いい感じが出ればいいですね」と作品の仕上がりに期待を寄せた。

 都内のスタジオで、横に並んだだけで互いに自然と笑みがこぼれた。渡は、高校生の制服姿の米倉に声を掛けた。「よく似合ってます」。照れながら右手でたたくしぐさを見せた米倉に、静かにほほ笑んでみせた。昨年、共通の友人を交えて3人で食事する機会があった。お互いに「機会があれば、また一緒にやりたい」と語り合い、気持ちを言葉で確かめることができた。これをきっかけに多忙なスケジュールを調整し、今回の共演が決まった。米倉は「やっとですよ」と喜びをかみしめた。渡も共演について「喜んで」と相思相愛を強調した。

 渡は初共演時に「オーラがあって先が楽しみ」と米倉のさらなる飛躍を予感していた。期待通り米倉は、昨年のテレビ朝日系「ドクターX

 ~外科医・大門未知子~」が民放連続ドラマ視聴率で首位になるなど文字通りトップ女優に成長。主演ドラマは軒並みヒットを続け、メディアから「視聴率女王」と呼ばれる存在になった。昨年7月、米ブロードウェーでミュージカル「シカゴ」にも主演。全編英語で演じ、本場のファンをうならせた。その成長ぶりを渡は「幅が広がった。番組すべて自分のものにする」と絶賛した。

 渡は、米倉演じる35歳の高校生が、編入してきた理由やその過去、私生活を知る教育長の阿佐田幸信を演じる。主人公がいじめなどの問題に向き合い、ピンチに陥れば助言するがそれ以外は謎の存在だ。教育をテーマにした作品はともに初挑戦。渡は26日に収録現場に入るなり「若い方のことを理解したい」と最近の教育事情を周囲に質問した。貪欲な姿勢に米倉は「すごくありがたいことです。たくさんのものを体験し、お芝居してきた方に教えてもらうことはたくさんある。存分にご一緒させていただきます」。渡は「(2人の)いい感じが出れば…。米倉さんが(雰囲気を)作ってくれる」と信頼を寄せていた。

 ◆「35歳の高校生」

 川浜市立国木田高3年A組に35歳の馬場亜矢子(米倉)が編入。朝は高級車で登校、昼休みは喫煙所で一服、放課後は缶ビールを飲むという型破りな亜矢子の目的は無事に卒業すること。そのため、勝ち組と負け組に分かれた学級の問題解決に動く。そんな学校の上に立ち、無能な校長の首を切り、「カイザー」と恐れられる教育長の阿佐田(渡)は亜矢子の過去を知る存在だった。