嵐の櫻井翔(31)が主演するフジテレビ系連続ドラマ「家族ゲーム」(17日スタート、水曜午後10時)の会見が9日、東京・台場の同局で行われた。櫻井は型破りな行動をする家庭教師役。教え子の母親役、鈴木保奈美(46)に「先生は本当に憎たらしいです」と言わせるなど、これまでの好青年イメージを大きく覆す新境地に取り組んでいる。

 人気アイドルにして慶大卒。報道番組キャスターも務める櫻井のイメージは、さわやかで、頭の良い好青年。ところがこの日の会見では、イメージを払拭(ふっしょく)させる意気込みをはっきりと示した。「過去の作品は強烈なインパクトを残しましたが、2013年版の『家族ドラマ』として強い印象を残せたらと収録に臨んでいます」。演じるのは落ちこぼれ中学生と問題を抱える一家を変えていく家庭教師の吉本役。かつて故松田優作さん主演で映画化され、長渕剛、鹿賀丈史主演でドラマ化もされた。櫻井は優作版を見ているが「とらわれたくない」として独自性を打ち出すことにした。

 一目で吉本と分かるようにジャケットは大きめなもの、ズボンは太めなものを選んだ。滑稽な印象も与えるため、斜めがけの大きなカバンが揺れるよう、大きく手を振って歩くクセを取り入れた。「家族の皆さんに仕掛けていく役。皆さんが驚いたり、おびえたりするのを楽しみながらやっています。普段思わず毒づきそうな瞬間がありますが、抑えています」。すっかり役に入り込んでいる。

 共演者も変身ぶりに反応している。第1話から櫻井が不気味な雰囲気をまといながら決めセリフ「いいね~」を連発している。保奈美は「吉本先生の『いいねー』が流行語大賞にエントリーしたなと思います」と不気味さを評価。崩壊しかけた家庭を荒療治される母親役だけに「吉本先生は本当に憎たらしいです」とすっかり設定が体になじんでいる様子だ。

 同局の「水曜午後10時枠ドラマ」の復活第1弾。「ショムニ」など濃いキャラクターが活躍するヒットドラマを輩出した放送枠だ。櫻井は「新しいタイプの役柄、水曜10時に新しくドラマが始まるなど、たくさんの挑戦が詰まった作品。話題になれるよう頑張ります」と話した。【近藤由美子】