<連載「気になリスト」(13)>

 28日に最終回を迎えるフジテレビ系ドラマ「山田くんと7人の魔女」(土曜午後11時10分)で連続ドラマ初主演を果たし、同局系バラエティー「ピカルの定理」ではコントにも挑戦した。モデル兼女優の西内まりや(19)。デビューは13歳。誰もがうらやむ道のりに見えるが、実は違う。

 小3から中2までは体育会系だった。将来を嘱望されたバドミントン選手だった。ほぼ毎日、腹筋500回、6キロ走をこなし、福岡市内の大会も4度制覇。夢は日本一だった。

 中1の夏にモデルにスカウトされた。メークをしてもらい、かわいい服を着て撮影に臨む。「ジャージー姿で(体力維持のため)梅干しをバリバリ食べ、寝る。そんな世界と正反対でした」。1年間バドミントンと両立したが、中途半端を避けるため中2の10月に上京を決めた。バドミントンの監督からは「どんな気持ちでやってきたと思ってるんだ!」と突き放された。

 上京後、悩みが生じた。「スポーツは人よりも頑張れば結果が付いてくる。芸能界は違った。努力すべきことが分からなかった」。「どう頑張ってるの」と聞いて「特に何も」と返すモデルほど早くブレークしていった。追い打ちを掛けるように学校では、いじめを受けた。「何であんたがモデルやってんの」。罵声を浴び、私物がなくなり、無視され、掲載雑誌が破かれた。毎日泣いた。競泳の国体選手も経験した母親(53)から「自分で悪いことをしていないと思うなら、立ち続けなさい。学校にも行きなさい」と強い言葉を掛けられた。「支えられました。聞いてもらえる人がいるだけで全然違った」。

 反骨精神が原動力だ。夢は芸能界の頂点に駆け上がること。「バドミントンの監督に報告したい。怖い監督だったから今度は正直な気持ちを伝えたい」。12月に20歳になる。いつか恩師と酒を酌み交わし、腹を割って語り合える日を夢見ている。【三須一紀】

 ◆西内(にしうち)まりや

 1993年(平5)12月24日、福岡県生まれ。06年夏に福岡市内でスカウトされ、07年7月にファッション誌「ニコラ」でモデルデビュー。08年日本テレビ系ドラマ「正義の味方」で女優デビュー。12年フジテレビ系ドラマ「GTO」に出演。家族は両親、姉。スリーサイズはB80-W58-H83センチ、股下81センチ、170センチ。血液型A。